相続人が複数いると、さまざまな問題が起こり得る。たとえば相続人の一人が、被相続人をずっと介護していたという場合。その負担はもちろん大きいけれど、「面倒を見たから預貯金を使っていいという主張は通るの?」という疑問も出るようだ。近年、介護と相続に関するトラブルが増えているという。そこでNPO法人無料相談センター(東京)は、相続人の不安解消や問題解決に向け、6月から電話無料相談を実施している。
家族の介護と遺産相続をめぐるトラブルは複雑化する一方。介護の負担、家族間の対立、遺産をめぐる争いなどさまざまな課題が絡み合い、複雑な状況に置かれている人も多い。介護は身体的・精神的・経済的な負担が家族全体に及ぶ。高齢者の尊厳ある生活を確保しつつ、介護する側の負担も軽減することが求められる一方で、遺産相続では、家族間の対立が深刻化し、絆が崩壊するケースも少なくないという。たとえば介護をしている、面倒を見ているからと不正に預貯金など使い込みをしているケースなど、事情は多様。円滑な解決と家族の絆の再構築が必要だ。
無料相談では、遺産相続をめぐる手続きや権利関係、高齢者の権利擁護などについてアドバイス。専門相談員と一緒に問題を一つずつ吟味し、解決の糸口を探す。