――実際に入社されていかがでしたか?
たまたま配属になったのが、もともと私が興味を持っていた美容健康のMD部。毎日楽しく働いていました。後に退職を報告した時、一緒に働いていた仲間から「仕事を楽しんでいるし、一番長く会社に居そうだったのに意外!」と言われるくらい。ここで基礎から商品の売り方やカタログの制作をとことん経験したことが、自分の得意分野となり自信につながりました。新規の立ち上げ部署に異動してからは、美容健康だけではなく全てのカテゴリの中から売れ筋が見込めるヒット商品を探す日々でした。ここで改めて自分の好きなことが美容にまつわることだと再認識。自分の人生の中で、その当時はあまり重きをおいていなかったキッチン道具関連の商談をした際は、その商品のよさを引き出すことができないかも、自分が好きで興味があるものを売りたいと思ったのです。この頃から転職を意識し始めましたね。
美容業界のエキスパートを目指し、ブランドコミュニケーションに重きを置くオルビスへ入社
――そして、転職に至るまでの経緯を聞かせてください。
異動をしてから、前の部署での美容カテゴリの仕事が面白かったのが忘れられず、美容業界のエキスパートになりたいという思いがずっと消えませんでした。しかし、ジョブローテーションを取り入れている当時の会社ではそれをかなえるのは難しく感じました。また、総合通販会社では、お客様のライフスタイルにあわせての商品を提案してきましたが、今後は“商品が作られた背景や思いを中心としたストーリーをお伝えし、ブランドのファンになっていただくようなコミュニケーションがしたい”と思い、メーカーへの転職活動を開始しました。
――美容品メーカーの中で、オルビス株式会社に入社を決めた理由は何だったのでしょうか?
お客様に商品を買っていただくのはもちろんですが、長期的にみてお客様とどうつながっていくかを重要視している会社の方向性と私のやりたいと思っていることが合致したことが決め手となりました。また、多様なオウンドメディアを持っているオルビスであれば、前職でのディレクション業務(当時の通販業界はまだまだ紙媒体が主流)のスキルを生かして、担当できる領域をデジタルにも拡張していけるのではないかという期待もありました。オルビスは業界でいち早くECサイトを開設した歴史もあり、会社としてもデジタル領域に力を入れていたのです。
――入社されてギャップはありましたか?
思っていた通りでした! 商品に対して持っていたブランドイメージと先輩や同僚に抱いた印象が同じだったのです。社員は誠実で、優しい方ばかり。どの立場であっても意見が言いやすいです。例えば、議論の場で、私がこれまでの経緯を知らずに意見を述べても、背景を丁寧に説明してくれたりと配慮があります。優秀な人が多く、疑問に対して的確な回答がすぐに返ってくるので、中途入社の私もキャッチアップがスムーズにできました。一方で、ときに本質的な厳しい意見をもらうことももちろんありますが、人間関係で変なあつれきもなく、仕事に集中できる環境なのでストレスなく働けています。