
たとえば資料作りやサイトの構築でイメージ写真を使いたい、と思う時、取り上げる物事を象徴的に表現してくれる写真を探すわけだが、裏をかえせばその写真は先入観や偏見を秘めつつ、その物事に対する一般的な認識や状況を反映している、ということが言えそうだ。そういう視点で、国内最大のデジタル素材サイト「PIXTA」(ピクスタ・東京)が、写真の売れ筋データから「家庭・ビジネスにおけるジェンダーギャップの変化」を分析した結果はなかなか興味深い。この10年の売れ筋写真を比較すると、管理職女性の写真は3倍に増えたが、一方で、家事を主体的に担う男性はまだ少数派のようだ。
3月8日の「国際女性デー」に合わせて、2014年と2024年のそれぞれ1年間で、家庭とビジネスシーンにおける販売数上位100点の写真素材を対象に分析した。検索キーワードは「家事」と「管理職」だ。
家事に関する写真では「女性のみが家事をするイメージ」は42.9%減少し、男女がともに家事をするイメージの写真は4倍に増加。もっとも「男性のみが家事をするイメージ」は依然として売れ筋上位にランクインしておらず、男性の家事は主体ではなく「協力」の域にとどまっていることが浮き彫りになった。
管理職に関する写真では「女性管理職のイメージ」は3倍に増加。ただ男性の管理職イメージの方が女性の2.2倍多く、依然として「管理職=男性」の意識は根強いようだ。一方で男女混合のビジネスシーンでは、10年前と比べて関係性がフラットになっており、職場のジェンダー観の変化も見て取れる結果となった。
