小学生野球の高円宮賜杯第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントは20日、神宮球場などで3回戦2試合と準々決勝が行われ、2度目の優勝を目指す北ナニワハヤテタイガース(兵庫)が4-2で安佐クラブ(広島)に勝ち4強入りを決めた。初出場の牧野ジュニアーズ(奈良)は、8-4で宮ノ下スポーツ少年団(鳥取)に勝った。
21日の準決勝は北ナニワハヤテタイガース ― 牧野ジュニアーズ、新家スターズ(大阪)― 不動パイレーツ(東京)の組み合わせになった。
【8月20日:試合リポート】
「3回戦」
▽牧野ジュニアーズ(奈良)4- 3 東郷ヤンチャーズ(福井)
「準々決勝」
▽牧野ジュニアーズ(奈良)8-4 宮ノ下スポーツ少年団(鳥取)
大舞台での交流楽しみ
牧野ジュニアーズは19日に四回表1死でサスペンデッドとなった東郷ヤンチャーズ(福井)との3回戦の続行試合に逆転勝ちし、1試合おいて準々決勝を戦った。
準々決勝では終始リードを保った。二回、迎井福司の2点三塁打で先制すると、続く倉好結真がスクイズを決め3 ― 0とした。「重要な場面だったから、しっかりと決めにいった」とスクイズを振り返った倉好は三回には2点右前打を放った。
初出場での4強入り。準決勝の相手となる北ナニワハヤテタイガース(兵庫)とは、交流戦の話をしながら実現していなかったという。牧野ジュニアーズの田中章夫監督は「この舞台で戦えるのが楽しみ」と大舞台で実現した〝交流〟を喜び「相手の胸を借り、チャレンジャーの気持ちで戦いたい」と意気込みを語った。(黒田貴明)
「3回戦」
▽不動パイレーツ(東京)6 - 5 北名古屋ドリームス(愛知)
「準々決勝」
▽不動パイレーツ(東京)7- 2 平戸イーグルス(神奈川)
壮絶な3回戦を勝ち抜く
サスペンデッドゲームで2日間にわたった3回戦を勝ち抜いた不動パイレーツは、続く準々決勝で平戸イーグルスに快勝し、2年連続の準決勝進出を決めた。
北名古屋ドリームスとの3回戦は壮絶な試合だった。3-3で延長に入り、七回無死一、二塁から始めるタイブレークで両チームが無得点に終わった時点で、20日に持ち越された。
試合は延長2イニング目の八回に動いた。先攻の不動パイレーツが捕逸と犠飛で2点を勝ち越し。だが裏に犠飛と失策で5-5とされてしまう。
九回、不動パイレーツは1死二、三塁で三塁走者がタイムを取った。鎌瀬慎吾監督は「タイムを取ったことでスクイズのサインがバレたな」と予感したが、スクイズを敢行。大きく外された球に米永結人が飛びついてファウルし、窮地を救った。
米永は三ゴロを放って決勝の走者を迎え入れ「外されると分かっていた。バットを長く持てば当たると考えた。(三ゴロが)決勝点になってうれしい」と振り返った。(開原健太)
「準々決勝」
▽北ナニワハヤテタイガース(兵庫) 4 - 2 安佐クラブ(広島)
完投で4強入り決める
北ナニワハヤテタイガースの北嶋隼士が67球で完投した。投球数制限の70球以内で投げ抜き「みんなが守ってくれるから信じて投げるだけ」と落ち着いた様子で試合を振り返った。1回戦から4連投で、投げるたびに球数を増やしているタフさが光る。
2-2 の五回に2点を勝ち越す緊迫した展開だった。守り切れば勝利が決まる六回は、二ゴロ、左飛、三飛。「緊張はなかった」とわずか5球で締めくくった。元は遊撃手で肩の強さを買われて投手を務めるようになったというが、大舞台で投球術に磨きをかけている。
4強入りを決め「ここに来るまでチーム状態は最悪だったが、この舞台で成長している」と石橋孝志監督は手応えを感じている。北嶋は「チームが一つになっている雰囲気がある。次の試合も練習でやっていることをやるだけ」と落ち着き払っていた。(藤山ゆりあ)