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全日本学童軟式野球の決勝は関西ダービー 連覇を狙う新家スターズ(大阪)と北ナニワハヤテタイガース(兵庫)

サヨナラ打を放った長身の中川を囲む北ナニワハヤテタイガースの選手たち(21日、神宮球場=浅水優佳撮影)

 小学生野球の高円宮賜杯第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントは21日、神宮球場で準決勝が行われ、36年ぶり2度目の優勝を目指す北ナニワハヤテタイガース(兵庫)が1-0のサヨナラ勝ちで初出場の牧野ジュニアーズ(奈良)を下した。

 連覇を狙う新家スターズ(大阪)は6―2で昨年準優勝の不動パイレーツ(東京)に勝った。

 決勝は22日に神宮球場で開催される。

▽新家スターズ(大阪)6-2 不動パイレーツ(東京)

 積極走塁で連覇へあと1勝

 常に次の塁を狙う積極的な走塁で新家スターズが勝利を手繰り寄せ、2年連続の決勝へ駒を進めた。

 一回、四球で出た1番の山田拓澄がすかさず二盗し、1死後に三盗。3番藤田凰介の三ゴロで先制のホームを踏んだ。山田は四回2死一塁でも二盗を決め、続く西浦颯馬のバント安打で相手のすきを突き、二塁から一気に本塁へかえった。積極走塁が次々と得点につながり、終わってみれば毎回得点だった。

 3盗塁を記録し、2度ホームを踏んだ山田は「走ることが自分の強み」と言い切る。自慢の走力だけでなく、練習で培った状況判断の力を遺憾なく発揮した。決勝では「打って走って失点をゼロで勝ちたい」と意気込む。

 千代松剛史監督は「去年優勝してすごい世界を見た。もう一回優勝してそれを見たい」と連覇を目前にして語った。(大谷侑生)

四回、内野安打で二塁から一気に生還した新家スターズの山田(右)と不動パイレーツの捕手の鎌瀬(21日、神宮球場=浅水優佳撮影)

 

三回、左越え2ランを放つ不動パイレーツの細谷(21日、神宮球場=浅水優佳撮影)

▽北ナニワハヤテタイガース(兵庫)1-0 牧野ジュニアーズ(奈良)

 「狙っていた」サヨナラ打

  北ナニワハヤテタイガースがサヨナラ勝ちで決勝進出を決めた。

 0-0で迎えた最終回の六回裏、先頭の矢之文太が死球で出て、三ゴロで1死二塁に。6番中川翔斗が追い込まれながらファウルで粘り、フルカウントから8球目を左中間に打ち返して試合を決めた。中川は「狙っていた。追い込まれていてもバットを振り切ろうと決めていた」と会心の一打を振り返った。

 完封でサヨナラ勝ちを演出した先発の山口琉翔は「仲間が守ってくれると信じて、球威を落としてでもコースを狙って打たせて取ることを意識した」と我慢強さが光った。

 あと1勝すれば第8回大会以来、36年ぶりの優勝をつかむ。当時も監督だった74歳の石橋孝志監督は「精いっぱいやるしかない。全員野球です」とチームの信条を口にした。(開原健太)

完封でサヨナラ勝ちを呼び込んだ北ナニワハヤテタイガースの山口(21日、神宮球場=浅水優佳撮影)

決勝の模様は、全日本軟式野球連盟のYouTubeチャンネルから22日朝9時から放送予定。

【大阪 前年度優勝】新家スターズ vs 【兵庫】北ナニワハヤテタイガース