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新家スターズ(大阪)が連覇 全日本学童軟式野球大会

四回、左前適時打を放つ新家スターズの松瀬吟愛(22日、神宮球場=浅水優佳撮影)

 小学生野球の高円宮賜杯第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントは22日、神宮球場で決勝が行われ、新家スターズ(大阪)が11―0で北ナニワハヤテタイガース(兵庫)に快勝し、2年連続2度目の優勝を果たした。

 新家スターズは2―0の四回に松瀬吟愛の適時打などで9点を挙げて試合の大勢を決め、3投手が無得点に抑えた。試合は五回終了で降雨コールドゲームとなった。

【ベンチリポート】

▽北ナニワハヤテタイガース(兵庫)

「投げて打って成長できた」

 36年ぶりの優勝を狙った北ナニワハヤテタイガースは完敗を喫し、キャプテンの北嶋隼士は「序盤から圧倒され、自分たちのやりたい事を出せなくて悔いの残る試合」と振り返った。

 ただ大会を通じて見ると、3回戦と準決勝をともに1-0で制するなど守備の粘りが際立った。北嶋は「投げて打って成長できた大会。弱い弱いと言われてきたから、準優勝できてうれしい」と充実感をにじませた。手堅い遊撃守備が持ち味で、投手としても活躍した。「県大会から全国大会決勝まで応援してくれて感謝しかない。ありがとうを言いたい」とキャプテンらしくスタンドに頭を下げた。

 前回の優勝時も監督だった74歳の石橋孝志監督は「完敗。ミスで流れを相手にわたしてしまった。相手さんはミスをしない」と脱帽した。「決勝まで来られたのは出来すぎ。運が良かった」と淡々と話した。(開原健太)

三回、北ナニワハヤテタイガースの石橋監督(中央)が、山口(右)と矢之文に指示を伝える(22日、神宮球場=野村春輝撮影)

▽新家スターズ(大阪)

松瀬吟愛の4安打などで圧倒

 新家スターズが圧倒的な強さを見せ、連覇を飾った。一回、1番山田拓澄の二塁打を足掛かりに1点を先制すると、三回には松瀬吟愛の左前適時打で1点を追加。試合を決めたのは四回だった。松瀬の左前適時打など6安打に四死球や失策も絡み、打者14人を送る猛攻で9点を奪った。

 4打数4安打2打点の松瀬は「低めのスローボールに絞った」という狙いを大舞台での好結果につなげた。雨天コールドゲームのため記録には残らなかったが、六回にも5本目の安打となる適時打を打っていた。米大リーグ、カブスの鈴木誠也を参考にしているという勝負強さが光った。

 千代松剛史監督は「いつもこんな試合ならいいのですが」と大勝に終わった決勝戦を振り返った。優勝の鍵となった試合に、黒田大貴の逆転3ランで勝った初戦の2回戦を挙げ「選手の魂を見た」と話した。「これだけやってきたからこの景色を見られた。よく頑張ったと伝えたい」と選手にねぎらいの言葉を送った。(大谷侑生)

三回、2点目となるホームに向かう新家スターズの藤田凰(左)(22日、神宮球場=野村春輝撮影)