よく見かける“このマーク”の意味知ってる?? 選ぶことから始める環境対策「環境マーク」を身近で探してみよう

 温暖化など気候変動による自然災害や生態系の破壊が、世界中で起きている。プラスチックゴミによる海洋汚染も話題になるなど、地球規模での環境対策は待ったなしの状況だ。世界の国々や地域で、政府や企業、団体などによる対応が進む中、消費大国の日本に住む私たちにも、普段の生活からできることがあるはず。

 実は、私たちは環境に配慮した商品に囲まれて生活していることを知っているだろうか?普段の生活の中で、購入している身近な商品のパッケージを改めて見てみると、環境負荷の低減対策ができていることを示したり、消費者がリサイクルなどをする際の識別のための「環境マーク」がついたモノがたくさんある。環境マークは、法律で定められているものから、業界団体や企業が独自に作っているものまでさまざま。大まかに分類すると「リサイクル系」「森林系(紙・印刷)」「エネルギー系」「交通輸送系」「食品系」「生物系(フェアトレード)」「総合」などがある。

 いつもの商品を選ぶことから始める環境対策。私たちのちょっとした意識が変われば、地球環境を守る大きな一歩になる。知らず知らずのうちに環境破壊の加害者になる前に、身の回りにある「環境マーク」を通して、その商品がどのように環境に配慮して作られているのか、どうすれば環境に配慮した生活ができるかを、改めて知ることから始めてみよう。

さて、ここで問題。普段から目にしている「環境マーク」、あなたはいくつ知っている??

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代表的な環境マークをいくつか解説しよう!!

(1)リユース・リサイクル系

環境マークPETボトル識別表示マーク

容器がペットボトルでできていることを表すマーク。捨てる時は分別を。
ペットボトルについている。

環境マークプラスチック容器包装の分別収集時の識別表示マーク

容器や包装がプラスチックでできていることを表すマーク。捨てる時は分別を。
容器や包み、袋などの包装についている。

環境マーク紙製容器包装識別表示マーク

容器や包装が紙でできていることを表すマーク。捨てる時は分別を。
容器や包み、袋などの包装紙などについている。

環境マーク紙パック識別表示マーク

リサイクルできる飲料用紙パックにつけられるマーク。洗って開いて乾かしてリサイクルを。
牛乳パックなどの飲み物のパック(アルミ不使用)についている。

環境マーク段ボールのリサイクルマーク

リサイクルできるダンボールであることを表している世界共通のマーク。
ダンボールについている。

(2)森林系

環境マークFSC®認証マーク(森林認証制度)

森林の環境や地域の人々の暮らしを守りながら、生産された木材から作られた製品を表すマーク。
ポスターやパンフレット、チラシ、紙製品、包装紙などについている。

Print植物油インキマーク

植物から出る油を使って作られたインク、またはその印刷物に付けられるマーク。
ポスターやパンフレット、チラシなどの印刷物についている。

(3)エネルギー系

Printグリーンパワーマーク

風力・バイオマス・小水力などの自然エネルギーを使った環境にやさしい電気の利用を表すマーク。
お店や会社、イベントや自動販売機など、色々な製品についている

(4)交通輸送系

Printエコレールマーク

環境にやさしい貨物列車を利用して運ばれている商品に付けられるマーク。
食品や家庭雑貨など、さまざまな商品についている。

(5)食品系

Printレインフォレスト・アライアンス認証マーク

環境や働く人に配慮した持続可能な農業を行う農園から作られた製品を表すマーク。
コーヒー、紅茶、チョコレート、バナナなどについている

※一般社団法人地球温暖化防止全国ネット「環境マークプログラム」環境マークずかんより一部引用

 

 最近、国内でも取得企業が増えているFSC(Forest Stewardship Council®)認証。世界中の森を守る活動を行っているFSCジャパンの活動を紹介しよう。

■環境・社会・経済のバランスが大事 世界の森を守るFSC

 温暖化など気候変動の要因のひとつは、CO2など温室効果ガスの排出増加。人間のさまざまな活動によって排出されるCO2の約1割は、森林破壊に起因するともいわれている。
 森林破壊は、そこに住む生物など生態系をはじめ、森林に依存して生活する約16億人の人間にも影響を与える。世界では、3.5秒ごとにサッカー場1面分の天然林が失われており、年間では650万haが減少している。特に、中南米やアフリカ、東南アジアでの森林破壊問題は深刻だ。

ⓒFSC A.C
ⓒFSC A.C

 森林減少の原因は、違法伐採や都市開発、農地への転換、森林火災など、国や地域によってさまざま。特に、違法伐採された木材は、地域住民の権利を侵害するほか、環境破壊につながる深刻な問題だ。
 日本も違法伐採に無関係ではない。日本における木材の自給率は約3割で、残りは海外からの輸入に依存している。日本は、紙の使用量や合板の輸入量は世界で3位、製材品の輸入量も世界4位、一人当たりの紙の使用量は世界7位と、木材の消費大国なのだ。

 世界的な森林保護を推し進めるには、環境保全の観点だけでなく、その地域の社会的・経済的課題に持続的に取り組む必要がある。生物多様性や生態系を保護し、地元住民や先住民たちとの共存を図り、貧困など地域経済の問題にも向き合わなければ、継続的な保護はできない。
 FSCは、これら「環境・社会・経済」の観点でバランスの良い森林保護のルールを作るために、1994年に設立されたNPO(特定非営利活動法人)で、ドイツのボンに国際事務局を置き、適正な森林管理を世界中に広めていくことを目的に活動している。世界各国にオフィスがあり、それぞれの国・地域で認証制度の普及を目指した活動を行っている。FSCが認証した森は世界の生産林で16%を占めるまでとなった。

■FSCの認証制度はとても厳しい!!

 FSCは、森林がきちんと管理されているかを審査する「森林管理(FM)認証」と、管理された森林から採れた木材が正しく加工・流通されているかを審査する「加工・流通過程(CoC)認証」のルール作りとその普及活動を行う。
 FSCの森林管理認証は、10の原則をベースに70の基準を設け、さらに国や地域の状況を考慮した約200の指標からなる。FSCとは独立した第三者の認証機関はこれらをもとに、FSCの理念に沿った森林管理と、木材や紙などの製品が完成するまでにFSC認証材が不適格な材料と混ぜられていないかなどを調査。加工や流通を行う企業に対して毎年調査が行われる。
 また、世界中に30を超える認証機関も、ASI(Assurance Services International)の審査対象となり、認証機関に不正等があると、その権利が剥奪されるといった信頼性の高い仕組みになっている。そして、FSCの基準や指標はステークホルダーへのヒアリングを経て、実効性のある内容に毎年改定されている。

 これらの厳しい審査を通過した製品にのみ「FSC認証マーク」が付与されるのだ。

■森林破壊の加害者にならないために私たちが今できること

 身の回りにあるティッシュやノート、ビール6缶パック、家具などを改めて見てみよう。きっと、森を守る「FSC」マークがついたモノがたくさん見つかるはず。しかし、日本における「FSCマーク」の認知度は世界と比べても低く、知らない人が多いのが現状だ。輸入材が2/3を占める日本では、海外で起きている環境問題の情報が少なく、身近に感じることが難しいのかもしれない。
 無知なまま自然破壊の加害者になる前に、FSCマークの意味を知り、その商品を選ぶことで、世界中の森林を守る一歩を踏み出してはどうだろう?いつも通りの生活の中で、森の恵みを実感できるかもしれない。

 FSCジャパンの河野絵美佳氏は「環境問題は、地域経済と社会問題も一緒に考えなくてはならない。そのためには、行政だけでなく企業や消費者の持続的な参加が必要で、特に消費者に選んでもらうことが重要。FSCマークの認知度を上げる活動を続けていきたい」と語る。

■持続可能な原材料と容器包装に向けたキリングループの取り組み

 キリングループとFSCジャパンは、森林管理の大切さを知ってもらう活動を行っている。キリンの商品に付いている「FSCマーク」の写真を撮り「#キリンの紙容器はFSC」のハッシュタグを付けてTwtterに投稿するキャンペーン(2019年8月1日~9月8日)や、中高生を対象とした「キリン・スクール・チャレンジ」では「のみもの×持続可能な農業・林業」をテーマにしたワークショップも開催。

「キリン・スクール・チャレンジ」で講演した、FSCジャパン・河野氏
「キリン・スクール・チャレンジ」で講演した、FSCジャパン・河野氏

 8月20日に、キリンビール横浜工場で行われた「キリン・スクール・チャレンジ」では、環境問題に関心の高い中高生に向けて、FSCジャパン・河野氏が世界の森林破壊の現状や、FSCの活動などを紹介。また、2020年までに全ての紙製の包装容器をFSC認証紙に切り替えることを目標とするキリングループの持続可能な林業・農業に向けた取り組みも紹介された。

 

 

 

キリン・スクール・チャレンジ ワークショップの模様
キリン・スクール・チャレンジ ワークショップの模様

 参加した中高生からは「本当に森が全てなくなったら人間はどれだけ生きられるのか?」「環境を守っても貧困問題はどうなるのか?」など、鋭い質問も飛んできたという。ワークショップは、「持続可能な農業・林業」という課題をもとにグループでディスカッションを行い、メッセージと写真をSNSで同世代に発信することで締めくくられ、「いいね」を最も集められたグループは後日表彰されるという。

 自然環境を守るだけの活動では、持続的に森を守ることはできない。貧困や地域社会の複雑な課題にも取り組むFSCや企業の思いは、子どもたちにも確実に浸透してきている。環境問題などSDGsの教育も進む中、親子で一緒に持続可能な未来を考えるきっかけとなるに違いない。

 キリングループは、2020年末までにすべての紙製容器包装をFSC認証紙に切り替えることを宣言している。「6缶パック」「ギフト箱」「紙パック」「製品用紙段ボール箱」などが対象で、日本のメーカーでは初の宣言。2019年3月末には、ビール6缶パックやビール製品用段ボール箱でFSC認証紙の使用率が100%を達成。また、FSCマークを業界に先駆けて上面の見やすい部分に表示。FSCの認証を得た紙であることが一目瞭然となっている。

※2020年11月末に、キリンビール・キリンビバレッジ・メルシャンの全ての紙容器でFSC認証紙100%を達成しています。これを受けて、2021年9月3日に「キリングループ持続可能な生物資源利用行動計画」を改訂しています。「詳しくはこちら」

FSC®C137754
FSC®C137754

 またキリンは、2013年からスリランカの紅茶農園に対する「レインフォレスト・アライアンスの認証」取得支援も行っている。スリランカから輸入される紅茶の25%が「午後の紅茶」に使われていることから(2011年日本紅茶協会 紅茶統計より)、高品質の紅茶を持続的に調達することを目的に始まった支援で、2019年6月末には累計で70農園が認証を取得。レインフォレスト・アライアンス認証マークは、カエルがデザインされている。カエルをはじめとする両生類は環境の影響を受けやすいといわれ、環境の変化を知るための目安になる生物。レインフォレスト・アライアンス認証マークは、農業を営む事業者が、「環境・社会・経済面」で持続可能性のある取り組みを行っていることを意味する。

スリランカの紅茶農園
スリランカの紅茶農園

 レインフォレスト・アライアンス認証の取得をした紅茶農園は、森林保全や野生生物の調査・保護、ゴミの分別リサイクルを行ったり、土壌改善や農薬・肥料の削減により、自然と地域環境に配慮した農業を行う。
 キリングループは大規模農園から、数十万軒あるともいわれる小規模農園にまでレインフォレスト・アライアンス認証の取得支援を開始。また、紅茶農園の水源地の保全活動も2018年から始めている。

※2021年8月には、スリランカの認証農園の茶葉を使った「キリン 午後の紅茶 ストレートティー」250ml紙パックの発売を開始しました。パッケージにはFSC認証紙を使用し、レインフォレスト・アライアンス認証認証マークを付けています。「詳しくはこちら」

 さらに、キリングループではプラスチック問題への対応として再生ペット樹脂を100%使用した“R100ペットボトル”を6月中旬より「キリン 生茶デカフェ」に採用している。PETボトルがPETボトルに生まれ変わることで、新たな石油を素材として使用することがなくなるので、製造にかかわる石油資源を90%削減、CO2排出量を60%削減することが可能となっている。「キリン 生茶デカフェ」以外では、「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」の一部でも、再生PET樹脂が採用されている 。

R100ペットボトル
R100ペットボトルのキリン生茶デカフェ