カルチャー

味の素がドリップ式で飲むだし「Dashi-Cha」の試飲会開催 マインドフルな食体験で心をリセットする新しい飲料

Dashi-Chaの「かつお」と「とまと」
Dashi-Chaの「かつお」と「とまと」

 新年度や新生活を控え、忙しい毎日に追われる人は多いかもしれない。そんな時は、あれこれ考えずに目の前のことに集中し、自分らしさを取り戻すマインドフルネスの考え方が近年、ビジネスパーソンなどに浸透してきている。

 味の素(東京都中央区)は、新たな食体験を通じてマインドフルな時間を生活の中に取り入れることをコンセプトに、新しいスタイルの飲み物としてドリップ式で飲むだしの「Dashi-Cha」を開発し、その発表&体験会を3月22日、都内で開催した。

琥珀色に抽出されたDashi-Cha
琥珀色に抽出されたDashi-Cha

 「Dashi-Cha」は、抽出体験を通してマインドフルな食体験を味わえるドリップ式の飲むおだし。新商品は23日にオープンした同社D2C(Direct to Consumer)サイト「AJI MALL」限定で「かつお」「とまと」を販売し、5月10日に「ごぼう」を追加販売する。価格は10食入りで2160円(税込み)。

事業展開について解説する神谷執行理事調味料事業部長
事業展開について解説する神谷執行理事調味料事業部長

 登壇した神谷執行理事調味料事業部長は、「Dashi-Cha」について「だしを抽出(ドリップ)するところから飲むところまでの時間や所作を楽しんでもらい、食を通じたマインドフルネスといった価値提供の幅を広げ事業を展開したい」と開発した狙いについて説明した。

登壇した秋山浩平商品開発担当(左)と神谷執行理事調味料事業部長
登壇した秋山浩平商品開発担当(左)と神谷執行理事調味料事業部長

 続いて登壇した商品開発担当の秋山浩平氏は、「気軽にだしを日常生活の中で味わってもらい、上質な暮らしを志向し日本文化が好きな人に飲んでいただきたい」と同商品のターゲット層について解説した。また発売する「かつお」「とまと」「ごぼう」の3品種について話が及ぶと、「かつお」は、純粋にかつおだしの味を楽しむ王道のフレーバーで、「とまと」「ごぼう」の野菜フレーバーは、「野菜のうまみやおいしさが、かつおだしと融合することで生まれる複雑な味わいを味わって欲しい」とそれぞれの味について特徴を述べた。 また、使用したかつお節は、サイズや燻製(くんせい)・加工の条件のほか、燻製に使用するまきの産地までこだわった専用のかつお節を開発したという。さらに監修を、ミシュラン二つ星日本料理店「傳」の長谷川在祐(ざいゆう)シェフが担当し、商品の完成までに2年以上の時間と、100回以上の試作を重ねたという。特にかつお節やごぼうの土の香りの表現、トマトの酸味と甘みのバランスの実現には、0.1グラム単位の塩加減の調整や議論を重ねて妥協することなく力が注がれたとしている。

五感で感じながらドリップを行う
五感で感じながらドリップを行う

 続いて行われた試飲では、メディテーションスタジオMedicha(東京都港区)による瞑想(めいそう)を取り入れたマインドフルネスを体験する試飲会が行われた。飲み方はドリップ式コーヒー同様に湯を注ぎゆっくりと一滴ずつ抽出するが、かつお節の性質上、3回に分けて湯を注ぐのがベターだという。

Medichaインストラクターよるマインドフルな試飲会
Medichaインストラクターよるマインドフルな試飲会

 そして、神秘的なBGMが流れる中、行われた「かつお」の試飲では、目を閉じて深呼吸を行う簡単な呼吸ワークからスタートした。商品の袋を開けた参加者たちは、目を閉じて、手にしたドリッパーの重みを感じることに意識を集中するようにとインストラクターから解説された。続いてドリッパーをカップにセットして湯を注ぐと、上品でどこか懐かしさも感じるかつおだしの香りが広がった。続いてインストラクターは「目を閉じたまま、香りや温度、かつお節の味わいをゆっくりと楽しんで欲しい」と述べ、「雑念が浮かんだ場合は、また一口飲んで頭から雑念取り除いて欲しい」と付け加えマインドフルネスを取り入れたな時間を創出した。また、さわやかな酸味とかつお節のマリアージュが楽しめる「とまと」の試飲も行った。

抽出体験を通してマインドフルな食体験を味わえるDashi-Cha
抽出体験を通してマインドフルな食体験を味わえるDashi-Cha
ポイントは3回に分けてお湯をかける
ポイントは3回に分けてお湯をかける
入れたてのDashi-Cha
入れたてのDashi-Cha

 試飲会が終わると記者から「飲用シーン」について質問された。神谷執行理事調味料事業部長は飲用シーンについて「忙しい現代社会の中でスローダウンする時などのきっかけ作りや少し小腹が減った時に新しい飲み物として楽しんで欲しい」と提案した。さらに同商品はカフェインを含まないため、就寝前にも楽しめるなど飲むシーンを選ばないのも特徴の一つだという。 年度末や新年度を迎えさらに忙しくなるこれからの毎日に、「Dashi-Cha」のかつお節や野菜の香りを五感で感じて、マインドフルなひとときを過ごしてみてはいかがだろう。