企画・監督・脚本、宮藤官九郎氏によるドラマ「季節のない街」(テレビ東京系)の第二話「親おもい」が、12日深夜に放送された。
本作は、黒澤明監督が『どですかでん』(70)として映画化したことでも知られる山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる街を12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある街へと置き換え、現代の物語として再構築。街にやってきた主人公が住人たちの姿に希望を見つけ、人生を再生していく姿を描いていく。(*以下、ネタバレあり)
12年前の災害”ナニ”で父を失いながら、母や幼い妹弟を支えて暮らす与田タツヤ(仲野太賀)。明るく快活な彼は、街に出入りする酒屋の店員オカベ(渡辺大知)と共に組んだ「青年部」に半助(池松壮亮)を引き込み、いつか仮設の街に若者が集うカフェを作りたいと夢を語る。
そんなタツヤと家族のもとにやくざものの兄シンゴ(YOUNG DAIS)がやって来る。タツヤにとってシンゴは困った時だけ金を無心しにくる疫病神だが、母のしのぶ(坂井真紀)はシンゴを溺愛し、いつでもありったけの金を渡してしまうのだった。ここ数年、コツコツ貯金をして、家族そろって仮設での生活から抜け出そうと考えていたタツヤは、兄を追い返そうとするが…。
放送終了後、SNS上には、「ドラマは現代の物語として再構築されているけど 生活の根本って変わらないし、今の人により刺さる。そんな小説、絶対に面白いやん」「原作を改変して母親との仲が改善するとか全くなくてよかった。この先も他人からすると救いのない話はありのままにやってほしい」といった声が上がった。
さらに、「クドカンは こういう話をお涙ちょうだいにせずに、笑うしかねーよなっって少しだけ前向きにさせてくれる」「出稼ぎ外国人よりも貧乏って、サラッとラップで入れる宮藤官九郎の脚本さすが!」「人の愚かさとおかしさと悲しさと優しさって全部切り離せない」「深夜にやるにはもったいないぐらい人間味にあふれていて面白い」「あほな子ほどかわいいっていうが限度を超えている。タツヤはいいやつに育ったのに母は気付きもしない。切ないなあ。タツヤを心から愛してくれる人が現れますように」といったコメントも。
また、タツヤを演じた仲野についての、「仲野太賀の演技は本当に心に残る」「太賀くん名演技。周りもマジでうまい。理不尽と閉塞感。このドラマは本当に面白い」といったコメントも目立った。