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水泳に続き、体操、ダンスでも DX展開 コナミスポーツの「運動塾デジタルノート」が進化・拡大へ

ダンススクール「運動塾デジタルノート」のデモンストレーションの様子(コナミスポーツクラブ 二子玉川)

 最新の情報通信技術(ICT)を活用したスポーツ教育に取り組んでいるコナミスポーツは、これまでスイミングスクールで使っていた「運動塾デジタルノート」のサービスを2025年5月から体操とダンスのスクールでも展開すると発表した。同社施設事業本部の北條健太郎・品質管理部長は「子どもたちのやる気や挑戦する気持ちを高め、より早い上達が期待できる」と話した。システムを開発したソニーネットワークコミュニケーションズ・法人サービス事業部の田村錬志スポーツエンタテインメント部長は「スポーツ教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)によって、『学び』『指導』『つながり』が変わる」と強調した。

体操スクール「運動塾デジタルノート」のデモンストレーション(コナミスポーツクラブ 二子玉川)
 

 「映像を見られると、自分のどこが上手でどこが下手なのかがよく分かる」。24年12月中旬、東京都世田谷区のコナミスポーツクラブ 二子玉川で行われた体操スクールの運動塾デジタルノートのデモンストレーションに参加していた小学校2年生の冨平遥水くんが表情を輝かせた。これまでに、跳び箱で手をつくのが遅いという欠点を直すことができたという。北條部長は、スクールで自分の演技をすぐに見られる「ディレイ再生」、自宅などでの予復習や保護者が子どもたちの様子を確認するのに役立つ「手本動画配信」「授業・テスト動画配信」の三つが特徴と説明。トライアル期間を経て、25年5月にコナミスポーツクラブ 本店(東京都品川区)とコナミスポーツクラブ 本店西宮(兵庫県西宮市)でサービスを開始。同年度内に全国30以上の施設で展開する予定だ。

コナミスポーツ提供
 

 システムは、ソニーネットワークコミュニケーションズが21年に「スマートスイミングレッスン」として開発。全国250施設で展開し、利用者は41万人に上る。中心的に展開してきたコナミスポーツで人気が高かったことから、体操とダンスでも活用できるようシステムを進化させ、新たに「PULSEZ(パルセズ)」としてサービスを提供していくことにした。名称は、鼓動を意味する「PULSE」に由来し、体を動かすことによる鼓動と、スポーツの感動による心の高まりを表現しているという。田村部長は、アプリはレッスンそのものでの活用のほか、一人一人の生徒へのきめ細かいフォローを可能にするスタッフ・コーチ間のデータ共有もできるようになっていると説明した。

 コナミスポーツクラブ 二子玉川でダンススクールのデモンストレーションを行った「KONAMI J.B. STAR」の中学1年の倉橋由愛花さんは「360度いろいろな角度から見られて、細かい位置のずれとか、これまで見えなかったところまでチェックできる」と利点を挙げた。依田琉音コーチは「かゆいところに手が届く感じ」と感心した。コナミスポーツ施設事業本部の木村高樹・統括マネージャーは「言葉で感覚的にしか言えなかったことが、映像を見ながらリアルに伝えられる。子どもたちの納得感が全然違う。これまでの指導とは雲泥の差が出る」と自信を示した。