スポーツ

対象の2割超が五輪に出場 上月スポーツ選手支援事業の2025年度認定式

 将来有望な若手スポーツ選手(小学生~大学生)の競技生活を応援する上月財団(東京都港区)の「上月スポーツ選手支援事業」認定式が9月2日、東京都内で開かれ、上月財団が2025年度に助成金を交付する選手に「認定書」が手渡された。あいさつした上月財団の村田哲也常務理事は「2002年度に始めたこの支援事業でこれまでに助成した選手は延べ1567人。うち五輪出場者は357人、五輪メダリストは93人に上る。みなさんも“世界”を目標に羽ばたいてほしい」とメダリストの卵たちにエールを送った。

 助成金額は高校生と大学生が年間120万円、小中学生が同90万円。選手が活動資金に頭を悩ませることなく、トレーニングなどのスポーツ活動に集中できる環境の整備に役立ててもらう。この日は2025年度の助成金交付対象者に認定された選手74人のうち、68人が出席し、村田常務理事から認定書を受け取った。

「誓いの言葉」を述べる比嘉歩選手=東京都中央区、コナミクリエイティブセンター銀座、2025年9月2日

 認定選手を代表して「誓いの言葉」を述べた沖縄県本部町立本部中学3年の比嘉歩選手(ウエイトリフティング)は「この助成金は選手が挑戦し続けるための大きな支えになる。必ず結果を出して恩返ししたい」と今後の世界での活躍に向けた決意を表明した。

 記念撮影する認定選手ら

■5人に賞金総額1600万

上月スポーツ賞受賞者

 この日は助成金認定選手のうち五輪や世界選手権などで優秀な成績を収めた選手をたたえる「上月スポーツ賞」の表彰式も行われ、受賞者に表彰状や総額1600万円の賞金などが贈られた。

28年ロス五輪で金メダルを目指す村尾三四郎選手

 受賞者は村尾三四郎(柔道)、葛西優奈(スキー)、梶本一花(水泳)、山田優(フェンシング)、スケートの中田璃士の計5選手。

 選手を代表して村尾選手(25年世界柔道選手権金メダル)と葛西選手(25年ノルディックスキー世界選手権金メダル)が謝辞を述べた。

謝辞を述べる葛西優奈選手

 村尾選手は「28年ロス五輪での金メダル獲得を報告できるよう頑張りたい」、葛西選手は「私のやっている複合女子はまだ五輪の正式種目ではないので、競技の魅力を伝えて、五輪で戦えるよう挑戦を続けたい」とそれぞれの目標を語った。