ふだんは見ることができない場所の特別拝観だ。臨済宗東福寺塔頭「正覚庵」(京都市)で、コケと紅葉が彩る庭園や旧白洲屋敷が11月3日から公開される。
正覚庵は、1290年に東福寺五世住持の山叟慧雲(さんそう・えうん)を開山として、鎌倉時代の武将、奥州・伊達政宗の先祖である伊達政依によって創建された東福寺塔頭寺院。「筆の寺」として名高く、江戸文化年間に境内へ筆塚が築かれ、毎年11月23日には「筆供養」が行われている。通常は非公開だが、紅葉時期に合わせての特別公開となる。
書院を囲むようにして鮮やかな緑の木々と生い茂るコケ、そして真っ赤な紅葉とのコントラストが美しい庭園が広がる。明治・大正期の実業家として知られる白洲次郎の父、文平が、自らの邸宅「白洲屋敷」の一部を寄進した経緯を持つ本堂、茶室、奥書院も特別に公開される。拝観期間は11月3日~19日、11月25日~12月3日の計26日間。拝観料は大人1000円、小学生500円(幼児無料)。