連日猛暑が続く厳しい夏も終わり、ようやく過ごしやすくなってきたこのごろ。暑さ寒さの厳しい時期や季節の変わり目などは、健康な人であっても感染症を含む病気にかかったり体調を崩したりしやすい。また、時期に限らず、慢性的に「疲れが取れない」「よく眠れない」などの体の不調を抱えている人は多い。
近年、メディアなどで腸内環境を整える「腸活」が話題に上るようになり、体調管理のために腸活を実践している人も増えているようだ。Kenvue(旧ジョンソン・エンド・ジョンソン コンシューマーヘルス、日本法人・東京)が実施した「体調管理と口内環境に関する実態調査」(インターネットで6月8日~10日に実施、全国の20代~60代の男女3000人)によると、腸活を実践している人のうち、6割以上(63.8%)が免疫力の向上を目的に腸活を行っていた。また、体調管理のために腸活を今後も続けたいと考える人は96.3%に上った。
継続意向も高く、体調管理のために取り組む人も多い腸活だが、同社は腸活の効果にも影響する意外な“落とし穴”を指摘する。それは「口の中」。口の中に存在する悪玉菌が飲み込まれて腸内に到達し、腸内環境に影響を与えている可能性を指摘する研究結果もあるという。このことについては、同社の「体調管理と口内環境に関する実態調査」で「腸活を実践している」と答えた人の約8割が知らなかった。
体調管理と口内環境の関係について同社は、生活習慣病治療のエキスパートで、 外科医・往診医・産業医・総合内科医として活動する小川 明子氏のアドバイスを紹介している。
小川氏は、「体の中で炎症が起きて慢性化すると、免疫システムに異常が生じてさまざまな生活習慣病を引き起こします。口の中についても同じで、歯周病などの慢性炎症になってしまうと、血管などから細菌や炎症物質が全身へと運ばれ、さまざまな病気につながります」と指摘。さらに、「口内の悪玉菌が体内のバリアをすり抜けて腸内に到達し腸内環境に影響を与えている可能性も十分にあり、腸内環境のバランスが乱れることは免疫力の低下につながります」と警鐘を鳴らす。
具体的にすぐにも取り組める対策として、「歯磨きやフロスといった基本となる口内環境のケアをしっかりと行い、ベースを整えながら、マウスウォッシュなどをプラスして、歯磨きやフロスだけではカバーできない部分もケアし、口内悪玉菌である歯周病菌を口でス トップしていくこと」を呼び掛けている。また、「歯磨きだけ行っている人は毎日のルーティンにマウスウォッシュを取り入れるなど、工夫ができるとよいでしょう」とアドバイスしている。