コロナ禍の記憶が薄れて、当たり前のように普通の生活を送れるようになった2025年、旅行に出かける人、そして円安も手伝って海外から日本を訪れる人、いずれも増えそうな雰囲気が感じられる。そうした中、JTBは2025年の旅行動向見通しをまとめた。
この調査は、1泊以上の日本人の旅行(ビジネス・帰省を含む)と訪日外国人旅行について、各種経済指標や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループが実施したアンケート調査などから推計したもので1981年から継続的に行っている。なお、調査実施期間は2024年11月29日~30日、調査対象は全国15歳以上79歳までの男女で3095人が回答した。
それによると、2025年1年間の日本人の総旅行人数は3億1910万人(対前年比2.9%増)と増加を想定している。日本人の国内旅行に関して同社では、雇用や給与は次第に良化し、暮らし向きもゆるやかな改善が期待されることが旅行の追い風になると分析しており、国内旅行は旅行人数が3億500万人(対前年比2.7%増)、一人あたり旅行費用は4万7800円(同1.1%増)、総旅行消費額は14兆5900億円(同3.8%増)と好調となる見込みだ。
海外旅行については、旅行人数が1410万人(対前年比8.5%増)、一人あたり旅行費用は33万4100円(同6.2%増)、総旅行消費額が4兆7100億円(同15.2%増)と国内旅行よりも伸びが大きい。一方で、訪日外国人旅行者数は4020万人(同8.9%増)と去年に比べて上向き、2024年に続いて過去最高の更新が見込まれている。
日本人の海外旅行は、急激な円安により海外旅行控えの傾向が見られたが、為替相場が落ち着けば海外旅行の盛り上がりが期待されるという。さらに、東アジアなどの近距離方面だけでなく、ヨーロッパやオセアニアなどの中長距離方面の旅行者数も伸びる見込みで、一人あたり旅行費用は昨年からさらに増加する見通しだ。