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【スズキナオの高知LOVERインタビュー】第2回 高知LOVE編集者に教えてもらった大阪の高知な店に行ったこと。

 高知直送の新鮮なカツオを本場そのままのわら焼きで食べられるこのお店がどういった経緯で生まれたのか、また、どんなお客さんに喜ばれているのかなどなど、店主の坂口さんにお話を伺った。

――「わら焼き熊鰹」の本店は山梨の甲府にあるんですよね?

 「はい。オーナーが山梨出身なので、地元を盛り上げたいと甲府にお店を出したんです。オーナーの奥さんが高知出身で、その縁もあって高知料理の専門店になったと聞いています」

――そして坂口店長は和歌山のご出身だとか。

 「そうなんですよ。うちの店に来て下さるお客様は高知出身の方が多いんです。もともと高知に暮らしていて、今は大阪に住んでいる方ですとか。そういうお客様にいつも『高知出身なんですか?』って聞かれて『和歌山なんです』って言ってガッカリされるという(笑)」

――ははは。そうなんですね。どういった経緯でこのお店を始めることになったんですか?

 「もともと僕と甲府のオーナーは東京にある同じ飲食の会社で仕事をしていたんです。それぞれが独立して、僕も東京で九州料理のお店をやっていたんです。そこを閉めることになったタイミングで、この店の運営会社の社長が新たに大阪に店舗を見つけたという話があって、九州料理の店ではホルモンを扱っていたんですけど、それだと大阪ではインパクトが薄いなと。その時、オーナーはすでに甲府で『わら焼き熊鰹』をやっていたので、そのフランチャイズとしてオープンしたのがこの店なんです」

――なるほど、甲府で高知料理の店をやろうというオーナーのそもそもの発想も面白いですね。

 「奥さんが高知の方だというのもあって、甲府のオーナーはよく高知に行く機会があったんです。そこで高知料理を深く知っていったんでしょうね。食材やお酒の仕入れ先とのつながりも一から作っていったんやと思います」

――その甲府のオーナーさんきっかけで高知料理の専門店でお仕事をすることになったというと、坂口さんにとっては高知の料理に関わるというのは初めての試みだったんですか?

 「そうです。ただ、初めては初めてだったんですけど、和歌山と高知って食べるものが結構似てるんですよ。同じ黒潮の海流があって、ウツボも、カツオも食べますし、食文化的に似ているところがあるんです。なので、まったく初めての食材を使いますっていう感じはなかったですね」

――そう言われてみると親和性が高そうですね。和歌山も高知もかんきつ類が豊富ですし。坂口さんは高知には何度か行かれたことがあるんですか?

 「それが、まだ一回しか行けてないんですよ。お店をオープンする前、業者さんとの顔合わせで宿毛の漁港に行ったり高知市内の酒屋さんとお会いしたり、まだそのぐらいなんです」

――そうなんですね。でもそうやって高知の業者さんから仕入れをしているわけですね。

 「はい。たとえばカツオなどの鮮魚は宿毛の与力水産さんから仕入れたり、高知市内の上町池澤本店という業者さんから仕入れることもあります。お酒も高知の鬼田酒店さんから送ってもらっています」

活きのいいカツオを高知県内の業者から仕入れている