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【新春対談】 歴史学者 本郷和人✕漫画家 辛酸なめ子  どうなる日本の運気 女性が輝く平和な国へ

 

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司会 お城にもパワースポットはありますか?

辛酸 お城は合戦のエネルギーというか。姫路城はパワースポットかも。

本郷 あそこは天守閣に刑部姫というのがいて、守ってくれているらしい。

辛酸 今もいらっしゃるんですか。

本郷 太平洋戦争の時までは、いたらしい。太平洋戦争でナパーム弾が落ちたけれど、刑部姫のご加護で爆発しなかったと。もし爆発していたら姫路城は火の海になっていたという、そういう話がありますね。

辛酸 それはすごいですね。

司会 新春に行きたいご利益のある神社は?

辛酸 新春だからこそ近所の氏神様をお参りするのがいいと思います。伊勢神宮にいきなり行くより、氏神様をまずお参りしないと気分を損ねますよといわれています。

本郷 じゃあ、氏神様に行って、一般参賀に行って、遠出するとか。やっぱり伊勢神宮はいいですか?

辛酸 そうですね。伊勢神宮の本体もいいですけど、近くにある伊勢神宮系列の別の神社は空いているし、すごく気がいい。人が多いとやっぱり空気がザワザワしちゃうから。近隣の神社にもいいところがいっぱいありますね。

本郷 やっぱり神様が福を授けてくれるのも、たくさんいると一人分が少なくなっちゃうんですかね。

辛酸 そんな気がしますよね。もちろん神様なので、皆さんに目を向けてくださると思うんですけど、人が少ないほうがいいのかなと思いますよね。

本郷 なるほど。あまり人がいっぱいいるところは避けて。

辛酸 神社好きの人が言うには、神社で自分がお参りする時に幕がフワっと浮き上がったりすると、神様がちゃんと願いを聞いてくださっているとか、蝶が飛んできたらいいメッセージだとか。いろいろあるんですが、神社に行ったときの周りの現象、珍しい動物だったり、鳥だったりとか、歓迎されているサインというのがあるかないかを気にする人も結構多いです。

本郷 じゃあ、気合を入れて初詣に行かないと。

辛酸 東京・丸の内あたりは歩いているだけで運気が上がりそうです。昔の古地図を見ていると、各地の大名屋敷があった場所じゃないですか。金運・財運が上がりそうな感じがする。

本郷 東大の本郷キャンパスは加賀藩の上屋敷でしたから、いるだけで運気上がりますかね(笑)。

辛酸 当時の大名って、今のちょっとした社長以上にすごい財力ですよね。今の金額に換算すると、1万石でだいたい10億円になるそうですね。

本郷 大名の暮らしはぜいたくですが、皆さん、若死にしてますね。だから養子がすごく多い。長生きできないというのが一つと、子どもがいないんです。屋敷から一歩も出ない育ち方をしていると、やはりひ弱になるんでしょうね。大名になっても国元と江戸の往復でしょ。徳川家康みたいに年とっても水泳と乗馬を欠かさないとか、そういう人はあまりいないみたいですよ。

辛酸 江戸と国元を行ったり来たりで体力にも負担がかかったのかもしれませんね。

本郷 きっと疲れたんだろうなあ。僕たちの頭蓋骨って、将来的にどんどん細くなるらしいのね、顎とかが細くなって。まさに徳川将軍家がそうなんですよ。徳川将軍家の頭蓋骨を調べたら、最初のうちは硬いものを噛み砕けるような顎をしているんです。その四角い顔がだんだんうりざね顔になっていくんですよ。

辛酸 顎といえば、ケネディ家も顎がしっかりしています。歴史に名を残すカリスマ的な一族というのは、やはり顎がしっかりしているんでしょうか。

本郷 意志の力で、奥歯をグッと噛みしめて生きているからかなあ。

辛酸 ジョン・F・ケネディも、若い頃に船の事故で海に流されそうになった時、ロープを歯でくわえて生き残ったそうです。その時も顎が活躍したとか。徳川家の顎がシュッとしたというのは、だんだん公家に近い感じになったということでしょうか。

本郷 やはり食べ物のせいでしょうね。あまり硬いものを食べないでしょうから。

辛酸 高貴な、やんごとなき人は食べ物もやわらかいものばかりで。

本郷 やわらかいものが多いでしょうね。