Hey! Say! JUMPとしてのグループ活動だけでなく、近年は舞台での活躍も著しい髙木雄也。その髙木が、3月30日(日)から上演されるミュージカル「アメリカン・サイコ」に出演する。1980年代末バブル期におけるニューヨークのウォール街を舞台に、昼はエリートビジネスマン、夜はセクシーなシリアルキラーという二つの顔を持つパトリックの姿を描く本作。原作小説は犯罪物であると同時に、痛烈な社会風刺と皮肉を前面に押し出したブラックコメディーで、2000年に映画化、2013年にはロンドンでミュージカルとなり、その後もブロードウェイやオーストラリアで上演されて成功を収めてきた。今回は、日本初演となる本作で、主人公パトリックを演じる髙木にミュージカルに対しての思いや、役作りについてなどを聞いた。

-昼はエリートビジネスマンで、夜はセクシーなシリアルキラーというチャレンジングな役柄ですが、本作への出演について心境を教えてください。
そういう二面性がある役はいつかチャレンジしてみたいと思っていたのでうれしいです。やっとできるなという思いもありますが、普通の人間ではありえない裏の面を持った役なので、稽古に入る前の今はそれを見つけるのが大変だと感じています。
-その裏の面について役作りをどう考えていますか。
映画などを見て考えるのも良いのではないかと思ってはいますが、今の段階ではまだ分からないです。参考にしようにも、そんな人間が自分の周りにいるわけではないですから(笑)。映画やドラマでもそうした役は出てきますが、結局、それを演じる方たちも想像を働かせて作り上げたり、演出家さんとディスカッションをして作ったりされているのだと思うので、今はどうすればいいんだろうと悩み中です。
-その二面性をしっかり表現したいという考えは現時点ではありますか。
僕の中ではありますが、見せ方も分かりやすくしないと本番までの限られた時間の中では伝えられないとは思っています。それにブラックコメディーなので、コメディーの部分も大事になってくるんだろうなとも考えています。
-前回に出演したミュージカル「ブロードウェイと銃弾」とはコメディーのタッチが一転していますね。
「ブロードウェイと銃弾」は派手で、常にみんなが笑っているような作品でした。僕にとって初めてのミュージカルでしたので、ミュージカルはこういうものなんだと思いました。今回も同じような楽しい雰囲気の作品になるのか、それともまた違った空気感のある作品になるのか楽しみです。
-ミュージカルへの出演が2作目となるわけですが、本作のオフィシャルコメントで「最後のミュージカルになるかもしれない」とありました。ご自身にとってミュージカルはどうですか。
楽しいですよ(笑)。舞台の上に立って、もし自分が世界を目指すのだったら、ミュージカルでいきます。自分がミュージカルをやってみたいなと思ったきっかけは、海外で英語版のミュージカル「ファントム」を見たからなんです。そのとき、英語は全く分かりませんでしたが、歌のシーンになるとその人の気持ちが全て心に届いて、どんな場面をやっているのかすぐ分かるので、言葉が違っていても気持ちが世界中に通じるなんて、ミュージカルってすてきだと思いました。
-「ブロードウェイと銃弾」に出演して、ミュージカルに対する心境の変化はありましたか。
「ブロードウェイと銃弾」はたくさん大変なこともあったので、ミュージカルはもうやめようと思ったこともありました。ですが、大変なことと同時に楽しさもあったので、あの時のメンバーとまた一緒にできたらと思っていますし、自分が成長できたら、またみんなに会いたいなという気持ちがあります。
-どういうところに楽しさを感じていましたか。
緊張が解放された時です。大千秋楽が終わったときにやっと緊張が解けましたが、公演中はとんでもないくらい緊張していました。なので、その解放感は最高でした(笑)。終わった時の脱力感がすごくて本当に動けなくなるんです。家へ送ってもらっても車から降りられないくらい(笑)。それから、お客さんを前にして、ステージに立つことが好きだという気持ちもあります。
-その緊張はいつから始まっているんですか。
こうして取材が始まると近づいているなと感じますが、やっぱりあと数日で本番となるとまたそこで緊張して…だからずっと緊張しています(笑)。最初の本読みでは余裕なふりをしていますが、本当に死ぬほど緊張しています。「ウェーイ!」とはしゃいでいますが、それは緊張を隠すために言っているんです(笑)。