カルチャー

現実のモンダイを哲学する 討論で明らかになる思考法とアプローチ

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 出生前診断と反出生主義、英語教育と英語公用語論など、身近な話題を使ってディベート形式で哲学論点を浮かび上がらせる『実践・哲学ディベート <人生の選択>を見極める』(高橋昌一郎著、NHK出版)が発売された。

 ディベートといえば、勝ち負けを争う弁論の「競技ディベート」を思い浮かべることが多いが、著者が提唱するのは「哲学ディベート」。相手を論破するのではなく、多種多様な哲学的見解を持ち寄り、それらを比較する中で自分が何に価値を置いているのかを見極める方法だ。出生前診断や英語教育、美容整形、自動運転などの身近なテーマについて、大学の研究室で教授と5人の学生が話をする、というシチュエーションで「哲学ディベート」が展開される。読者は、発言者のどこに賛成し、反対するのか。発言者のどの論点に最も価値を見出すか。具体的なやりとりを通してその思考法やアプローチを考えることができる。税込み968円。