カルチャー

世代ナンバーワン目指し激突 ボートレースのヤングダービー

集合

 次代を担う30歳未満の若手レーサーが競うボートレースのKYODO NEWS CUP第9回ヤングダービー(プレミアムGⅠ)が、9月20日から25日まで、東京都府中市のボートレース多摩川で開かれる。今年は女子9人を含む52選手が出場し、優勝賞金1100万円を狙う。世代ナンバーワンを目指し意地と若さに任せた勢いが「日本一の静水面」といわれる多摩川を舞台にぶつかる。大会に華やかな彩りを添える話題の5人のレーサーを紹介しよう。

 地元東京からは次世代のエース、24歳の宮之原輝紀が出場する。2015年4月、ボートレーサー養成所を首席で修了。翌年5月のデビューから2カ月で初勝利を挙げた。3年目には最高ランクのA1級に昇格、最優秀新人に選ばれた。今年は6月に東日本の若手トップを争うヤングダービー前哨戦の「イースタンヤング」を制し、4年連続4度目の出場権を獲得した。7月には多摩川で開催されたサンケイスポーツ賞にも勝ち、早くも自己最多の年間優勝4度と絶好調だ。この勢いで、自身初のGⅠタイトルを目指す。

宮之原輝紀(東京)。
宮之原輝紀(東京)。

 全国の若手の中から10人が選出される「トップルーキー」に2年連続で選ばれているのが26歳の黒野元基(愛知)。次世代のスター候補一番手と目されている。今年は自己最多の優勝3回と好調で、3年連続3度目のこの大会で初のGⅠタイトルを狙う。

黒野元基(愛知)。
黒野元基(愛知)。

 7年連続7度目の出場になるのが28歳の上條暢嵩(大阪)。2019年にGⅠのタイトルを獲得し、今年もSGのボートレースクラシックで優勝戦に進み2着。SGにも数多く出場し実績は申し分ないが、20代のうちにしか取れないヤングダービーの優勝は是が非でもほしいところ。父親は元、兄は現役の「ボートレーサー一家」だ。

上條暢嵩(大阪)。
上條暢嵩(大阪)。

 この大会で、女子選手として初めて優勝戦に進んだのが26歳の大山千広(福岡)。初出場だった2018年に達成、その年の最優秀新人選手に選ばれた。翌年にはレディースチャンピオン(GⅠ)を制し、最優秀女子選手に。現在、女子のトップクラスに位置する。今年3月のボートレースクラシックでは遠藤エミ(滋賀)が、女子としては史上初めてSGを制した。女子が着実に力を付けている中、5度目の挑戦となる大山に、ヤングダービー初制覇の期待が掛かる。

大山千広(福岡)。
大山千広(福岡)。

 同じ女子で、今回が最後の挑戦になるのが29歳のママさんレーサー、中村桃佳(香川)。この大会は3度目の出場で、初のGⅠを目指す。ボートレーサーは女子選手が増え、出産を経てレースに復帰することが自然な流れになってきた。中村も同じ香川支部の竹田和哉と結婚し、一児の母。今年は出産前に匹敵する結果を残し好調だ。

中村桃佳(香川)。
中村桃佳(香川)。

 52選手にはそれぞれ物語があり、紹介した5人以外にも魅力的なアスリートがそろう。ヤングダービーには、レースの迫力を感じるだけではなく、明日のスターを探す楽しみもある。
 なお詳細については、「プレミアムGI第9回ヤングダービー」公式サイトでご確認ください。