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AI画像解析で効率的に堤防を点検 建設技術研究所が「河川管理施設変状評価 システム」を開発

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建設技術研究所 「AI画像解析によるシステムのイメージ」

 

 建設技術研究所(東京都中央区)はこのほど、河川の維持管理を効率的に行う「河川管理施設変状評価システム」を開発した、と発表した。

 人工知能(AI)による画像解析と連動し、河川堤防の点検結果を一元管理する。膨大な点検データを自動的に読み取り、AI画像解析で堤防など管理施設の老朽化程度などを評価(変状種別、変状ランク評価)できる、という。

 点検画像は、頭などに着けて撮影する小型カメラの動画から作成する静止画を活用する。このため「従来の1枚ずつ点検箇所を写真撮影する方法より作業時間を短縮できる。目視などによる人の点検結果とAI画像解析の点検結果は、60~80%程度の割合で同じ結論に落ち着くという。

 高度成長期に建設された堤防などの河川管理施設は老朽化が目立つため、点検の必要があるが、点検作業は多くの従事者を必要とするため、点検作業の効率化が求められていた、という。建設技術研究所は「2024年度には国や自治体の河川維持管理業務での実用化を目指す」としている。