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異国文化と伝統の折衷 夢二と大正時代の文学

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夢二郷土美術館 本館企画展「夢二と大正時代の文学」

 大正浪漫の旗手、詩人画家の竹久夢二。外国から入ってきた新しい文化と伝統的な日本文化が織りなす和洋折衷の時代、作家たちは南蛮趣味など異国の文物に関心を寄せたり、江戸文化に対する憧れを作品にしたりした。岡山の夢二郷土美術館本館(両備ホールディングス・岡山市)では、9月27日から企画展「夢二と大正時代の文学」を開催、「異国趣味」や「江戸趣味」を表現した夢二の世界を堪能できる。

竹久夢二の作品 左より《邪宗渡来》、《麻利耶観音》(「婦人グラフ」より)、《生ける屍》
竹久夢二の作品 左より《邪宗渡来》、《麻利耶観音》(「婦人グラフ」より)、《生ける屍》

 夢二は文芸誌や文学作品の装丁を数多く手がけ、作家たちとも親しく交流した。エキゾチックなモチーフの描写や、歌舞伎などを題材とした江戸情緒あふれる芝居絵からは、夢二が持つ遠い世界への憧れが感じられる。

夢二郷土美術館本館
夢二郷土美術館本館
左:「こども夢二新聞」作品展示/右:夜の特別鑑賞会
左:「こども夢二新聞」作品展示/右:夜の特別鑑賞会

 近代化によって過去になりつつあった江戸時代の文化を、新鮮な気持ちで見つめ直し、その魅力を再発見することで新たな文化を生み出した大正時代。ブックデザインの世界でも活躍した夢二の「仕事」は興味深い。展示は12月4日まで。入館料は大人800円、中高大学生400円、小学生300円。