SDGs

磯焼けの海底の再生に取り組むウニノミクス 山口県産畜養ウニを回転ずし市場へ

長門産畜養「殻付きウニ」
長門産畜養「殻付きウニ」

 水質浄化や生物多様性の維持のために無くてはならない海面下の海の森「藻場」。水産庁によると、海藻を食べる魚やウニが増えすぎて生態系のバランスが崩れ、藻場の消失をまねく「磯焼け」が全国各地で問題になっているという。

 この問題に、環境問題解決手段としてのウニ畜養事業を国内外で展開するウニノミクス(東京)と水産加工業者マルヤマ水産(山口県長門市)が、共同で取り組んでいる。両社は共同でのウニ畜養実証試験を経て、年間生産能力34トンの世界最大規模ウニ陸上畜養施設「KAYOI UNI BASE」(山口県長門市)の稼働を昨年11月に開始した。

KAYOI UNI BASE 外観
KAYOI UNI BASE 外観
屋内畜養現場
屋内畜養現場

 磯焼けなどの環境問題で良質な天然ウニ供給量が減少する一方、世界的にウニ需要が高まっているという。ウニノミクスは、ノルウェー食品・漁業・水産養殖研究所(Nofima)の技術を基に日本国内、ノルウェー、カナダ、米国の複数拠点での実証実験を行い、磯焼け状態の海で採捕した市場価値のない“痩せウニ”を2カ月程度で食用に適した身入りと品質のウニに畜養する技術を確立している。これにより、天然ウニの旬に限らず年間を通して安定的に高品質のウニを生産出荷可能にしている。

ウニノミクス 事業モデル
ウニノミクス 事業モデル

 ウニノミクスとマルヤマ水産の両社は、「磯焼けの海底からウニを除去」→「除去したウニをKAYOI UNI BASEで畜養」→「畜養したウニを販売」→「利益の一部をウニの除去に還元」というサイクルの中で、海藻を中心とした生態系の回復を目指していく。

 KAYOI UNI BASEで畜養された長門産畜養「殻付きウニ」が、グルメ系回転ずし「がってん寿司(ずし)」(アールディーシー・埼玉県熊谷市)で、毎週土曜に登場することになった(一部店舗を除く)。当初数量限定で80店舗からスタートし、今後拡大していく見込み。ウニノミクスでは「環境改善につながる国産の畜養ウニをより多くの人に味わってもらい、背景にある磯焼け問題に関心を持つきっかけにしてもらいたい」としている。

「国連海洋科学の10年」ロゴ
「国連海洋科学の10年」ロゴ