カルチャー

ヘンテコだけど奥が深い 空飛ぶ「スパモン」入門書

『空飛ぶスパゲッティ・モンスター教ガイドブック』(FSM研究会・著)
『空飛ぶスパゲッティ・モンスター教ガイドブック』(FSM研究会・著)

 神さま、という宗教的な名を持つ存在ではないけれど、何らかの偉大な知性がこの宇宙や生命を設計した、と考える「インテリジェント・デザイン」説。ダーウィンの進化論になかなか全面的に賛成できない米国の人々が、この説を公教育に取り入れようとした時、そういう“知性”を認めるなら、その知性が「スパゲッティ・モンスター」だっていいじゃないか、とユーモアたっぷりに反対した物理学専攻の学生がいた。この説がよく分かる『空飛ぶスパゲッティ・モンスター教ガイドブック』(FSM研究会著、自由国民社・東京)が刊行された。ヘンテコだけど奥が深くて面白い、一種の風刺の教科書だ。

空飛ぶスパゲッティ・モンスター
空飛ぶスパゲッティ・モンスター

 進化論と並行してインテリジェント・デザイン論を教えるなら、空飛ぶスパゲッティ・モンスターが人間や宇宙を創ったという説も教えないとおかしい、と提言し、現存する宗教への疑問とアンチテーゼを鋭く投げかけたこの「スパモン」。宗教を向こうに回して反対するのではなく、宗教的なものの存在を認めるのなら、“並行”してあり得べき議論を楽しくクリエートして話題になった。その「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」の成り立ちから「教え」まで徹底解説した“入門書”だ。税込み1430円。