カルチャー

東京理科大の北海道・東京キャンパスがつながった 空間ゲートウェイ「tonari」を大学に初導入

コ・デザインプロジェクトの授業の様子
コ・デザインプロジェクトの授業の様子

 等身大のスクリーンを介して2つの空間をつなぐtonari(東京)の、空間ゲートウェイ「tonari」。オンライン会議特有の映像・音声の遅延によるストレスが無く、壁一面の高画質スクリーンと遠近の違いを音で理解できる設計が施され、同じ空間にいるように一緒に過ごすことができるコミュニケーションツールだ。

 この「tonari」が教育業界で初めて、東京理科大学の「北海道・長万部キャンパス」と「東京・神楽坂キャンパス」に導入された。同大は、2拠点をつなぐ新たな「ラーニング・コモンズ構想」の実現を目指す。北海道・長万部キャンパス、東京・神楽坂キャンパスの富士見校舎を一体のラーニング・コモンズとして捉え、両拠点のシステムを学生が集まるラウンジ等に設置し、常時接続された状態に。偶発的な出会いや会話が生まれる開放的な空間をコンセプトに設計している。スクリーンを介してつながる空間に学生たちが自然と集まり、同じ場にいるように課題を議論したり、課外活動に活用したりすることを目指している。

北海道・長万部キャンパス
北海道・長万部キャンパス

 コロナ禍を経て今年度から、同大国際デザイン経営学科の1年生は北海道・長万部キャンパスで1年間の全寮制生活をスタートした。同学科では、先の見えない時代のさまざまな困難に対し、異なるバックグラウンドや専門性を持つ人材をつなぎ、課題を解決していくリーダーの育成を目指している。2年次からは、東京・富士見校舎に学びの拠点を移し、より専門的な学びを深めていく。

神楽坂キャンパス・富士見校舎
神楽坂キャンパス・富士見校舎

 東京理科大経営学部国際デザイン経営学科の飯島淳一教授は「両校舎がtonariでつながることで、長万部で学ぶ1年生にとっては、まるで学生ラウンジで語らうように、上級生や教員から直接アドバイスや指導を受けることができる。また、2年生以上の学生にとっても、1年生を通して長万部町と継続的につながる場となり、地域の課題をより中長期的に考えることができる。tonariが、国際デザイン経営学科の目標である“さまざまな人材をつなぎ、複雑な時代に立ち向かうイノベーションリーダー”を育成する一助となることを期待しています」とのコメントを寄せている。

 tonariの川口良氏(共同創業者兼CTO)は「教育の現場にtonariを導入いただくことは、設立当初からの夢の一つでした。遊び心にあふれ、固定観念に縛られない先生方と学生の皆さんが、tonariの価値を再発見してくださると信じています。地元に密着しながらも都市部・世界に開かれた、新しいキャンパスや大学プログラムの在り方について考えるきっかけになれば」としている。