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「南方ノート」と「戦後日記」 大佛次郎の未刊行日記書籍化

 小説『鞍馬天狗』や『パリ燃ゆ』などで知られる大佛次郎氏が、第2次大戦中と戦後にしたためていた日記が初めて書籍『南方ノート・戦後日記』(未知谷刊・大佛次郎記念館編、税込み3960円)として8月18日に発刊された。これを機に、特別展「初公開&出版記念 “南方ノート”と“戦後日記”大佛次郎が見た戦中・戦後」(横浜市芸術文化振興財団)が8月26日~12月10日まで、横浜市の大佛次郎記念館で開催される。

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 「南方ノート」は、昭和18年11月から約3カ月にわたり、同盟通信社の嘱託として現在のシンガポール、マレーシア、インドネシアなどを視察した際、6冊の大学ノートにつづった手記。「戦後日記」は、敗戦後の昭和21年3月から25年8月までの8冊の日記だ。既刊の『敗戦日記』をはさみ、その前後をつなぐ本書には、検閲を想定しない日記だからこそ書ける著者の“肉声”が詰まっている。戦時でありながら、一見平穏に見える南方の日常の中に作家が見たもの、敗戦を経て、混乱する占領下の日本で小説を書くことの意味などが浮かび上がる。特別展の観覧料は高校生以上200円、中学生以下無料(横浜市内在住の65歳以上は100円、毎月23日と第2・第4土曜日は高校生無料、障害者手帳を持つ人と付き添い1人は無料)。