カルチャー

「作家と画家、そして猫」  大佛次郎記念館でテーマ展示

 横浜生まれの作家、大佛次郎(1897-1973)と多彩な活躍をした画家、木村荘八(1893-1958)が組んだ小説と挿絵の仕事を紹介するテーマ展示、「大佛次郎と木村荘八 ―作家と画家、そして猫」(横浜市芸術文化振興財団・横浜市)が、横浜の大佛次郎記念館で開かれている。4月14日まで。

sub2
木村荘八《猫の湯屋》水彩画制作年不詳、個人蔵

 横浜について現地を巡って調査した大佛と、江戸文化や明治風俗を愛し知識も豊富だった荘八は、幕末から明治初期にかけての文明開化期の横浜・東京を舞台とした作品で、小説家と挿絵画家として何度もコンビを組んだ。『霧笛』『幻燈』などの大佛作品や、雑誌、エッセイに荘八が寄せた、情感あふれる挿絵原画約10点を展示している。

 また大佛と荘八は大の愛猫家。2人が顔を合わせれば、互いの猫の数をたずね合ったとか。猫の様子を伝える荘八の手紙、大佛愛蔵の荘八による猫の肉筆画、荘八がコレクションしていた「猫のおもちゃ絵」など、猫に関わるものも公開されている。文学、アート、そして猫好きにも楽しい展覧会だ。観覧料など詳細は大佛次郎記念館ホームページから。

main
大佛次郎1948年、木村荘八1949年(撮影:林忠彦)