カルチャー

定点記録写真で風景の変遷たどる  「2023-2011 あれから」

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 東日本大震災の被災各地の風景とそこに暮らす家族のポートレート。2011年から12年間、写真家の広川泰士氏が撮影してきた定点観測の写真展が、9月22日~10月12日まで、東京のフジフイルムスクエア(富士フイルム)で開かれる。入場は無料。

 2011年の東日本大震災発生時、想像を絶する津波の被害の様子を知り、「気づくと体が動いていた」という広川氏は、目的地も決めぬまま支援物資を積んだ車で現地に向かった。まだ水の引かない被災地には、水の中に浮かぶアルバムや写真、かつて家があった場所で家族の写真を探す多くの人たちの姿があったという。2011年10月、地元での縁がつながり気仙沼市役所の一角で、撮影を希望する被災した家族の撮影会を無償で開催。コロナ禍で自粛を余儀なくされた期間を除き、現在に至るまで毎年、撮影会を継続している。

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 並行して釜石、陸前高田、気仙沼周辺の定点観測撮影も12年間にわたり継続。展示されるこれらの記録と家族たちのポートレートは、自然の力で破壊されたランドスケープと、根底から覆された人々の営みが、震災前とは姿を変えながら時とともに修復されていくプロセスを知る契機となる。