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2年連続本屋大賞ノミネートは史上初! 『汝、星のごとく』の続編『星を編む』

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凪良ゆう/『星を編む』

 2023年本屋大賞を受賞した凪良ゆうの『汝、星のごとく』は、親子のしがらみ、濃い地縁、社会の大波の中でもがきながら生き抜く若者たちの姿が、澄んだ筆致で描かれた名作。その続編、『星を編む』(講談社・東京)が2024年の本屋大賞にノミネートされた。2年連続ノミネートという史上初の快挙だ。

 『汝、星のごとく』は、「第10回高校生直木賞」「キノベス!2023」第1位にも選ばれた話題作。閉塞感漂う瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)の約15年間を描いている。夢やあきらめ、正論と迷い、選択と自由。状況は違っても読み手の誰もが共有できる種があちこちにまかれた小説で、理不尽さに抵抗できない弱さも愛おしくなる物語だ。

 今年ノミネートされたその続編では、櫂と暁海の高校教師だった北原先生の過去や、櫂を支えた植木と二階堂、二人の編集者の作家愛、そして『汝、星のごとく』の“その後”が描かれている。