カルチャー

子どもたちの手でフリーペーパーを 高知市中心商店街の魅力を発信する「こども編集部プロジェクト」への支援募集

 

 高知市生まれで、高知市の建設会社に勤める小﨑百葉(もも)さんが、社会起業家として「こども編集部プロジェクト」の立ち上げに挑戦中だ。高知市中心商店街の魅力を、子どもたちの手で作ったフリーペーパーで発信する取り組みへの支援を募っている。

 高知市中心部の「帯屋町(おびやまち)商店街」は、全長650mのアーケード式で高知県内一の規模の商店街。大手チェーン店・デパート・個人商店など、高知県民を支えるさまざまな商業施設が並ぶ。夏には「よさこい祭り」の会場として彩られ、屋台村「ひろめ市場」には季節を問わず多くの観光客が訪れる一方で、若手経営者や後継者の不足が大きな課題となっている。

 

 小﨑さんは、兵庫県の大学でインテリアや建築、まちづくりを学んだ後、2023年春にUターンし、ミタニ建設工業(高知市)の企画開発部に勤務している。今回、「子どもたちに高知に残りたいと思ってもらいたい!」という願いから、「【高知市】中心商店街32選トキメクBook フリーペーパーを制作したい!」と題し、クラウドファンディングを立ち上げた。6月30日(日)まで支援を受け付けている。目標金額に満たない場合もプロジェクトを実行し、リターンを届けるAll-in方式での実施。

 「こども編集部プロジェクト」では、小学5年生~中学3年生の参加者を募集。8月の11日間にわたり、お店への取材・編集・制作を行う。全て「こども編集部」の子どもたちが主体。編集協力は、クリケット(高知市)の「季刊高知」編集部。一貫して雑誌編集者のサポートがあり、デザイナーやカメラマンなどのプロの仕事、本の作り方を学ぶことができる。

 「中心商店街32選トキメクBook」は、A5版カラーで9月に初版1000部を発行予定。フリーペーパーとして県内の役場・駅・空港をはじめとする各所に設置。クラウドファンディングで120万円の支援額が達成できた場合、子どもたちのプロジェクトへの参加費を無料にし、発行部数を2000部に増刷する予定。

 支援コースは、ガイドブックが欲しい、子どもたちを応援したいという思いを届けたい人のための「ただただ応援!コース」(3000円・5000円・1万円)から、「まちぶらを楽しもう!コース」(オリジナルトートバッグ付き1万2000円・オリジナルTシャツ付き2万円)のほか、「スポンサーとして応援!コース」(5万円・7万円・8万円・10万円・30万円)などを用意。スポンサーコースのリターンには、制作するフリーペーパーへの名前または社名記載、帯屋町商店街への宣伝垂れ幕1カ月間掲示権(30万円コースのみ)が含まれている。

 小﨑さん自身が、県外への若者の進出や高齢化に伴い、高知県から子どもたちの声が減っていることを実感しているという。小﨑さんは、「人口減少に歯止めをかけることは難しいですが、“今ある資源”で魅力ある高知県をつくることは、可能なのではないでしょうか? その中の強力な1つが“人”であり、未来を担う子どもたちの成長によって高知県の永続があり、さらには日本全体に良い風を巻き起こすと思っています」として応援を呼びかけている。

小﨑百葉さん