佐賀県有田町を中心に、その近隣で400年にわたり生産されてきた日本初の磁器「有田焼」。全国の伝統産業の産地を取り巻く状況が年々厳しくなる中、有田焼に関わる窯元・商社などから成る有志グループが立ち上がり、有田の魅力とものづくりを伝える展示・体験・対話イベント「ジバニイキル」を9月19日(木)から21日(土)の3日間、東京・青山のLIGHT BOX STUDIO AOYAMAで開催する。主催は、伝トーク!!実行委員会(ジバニイキル事務局:有田商工会議所)。
会場では、磁器生産のための原材料・道具・製品等の現物で製造工程を見られる展示のほか、商品開発の流れやブランディングの紹介、箸置きの製造体験ワークショップなどを行う。有田焼産地の未来を考えるご当地トーク番組「伝トーク!!」(有田町のケーブルテレビ)の公開収録、磁器の原料である陶石を用いたインスタレーション、産地での日常風景を描いた映像作品の上映、金魚をモチーフにしたアートピースや、伊万里・有田焼商品の展示販売なども予定している。トークセッションやワークショップなど、イベントスケジュールは公式webサイトで随時更新していく。
「ジバニイキル」の「ジバ」には、「その場所、地元」を意味する「地場」、有田焼の原料である陶石を産出し、磁器の生産地となった「磁石場/磁器を生産する場」、そしてその地に引きつけられる「磁場」の3つの意味を込めている。実行委員会では、「イベントを通して、有田焼の魅力や産地の空気感を感じていただき、これからの産業のあり方とその継承のために何をすべきかを共に考える機会となれば」としている。
11月下旬には有田町内で、「秋の有田陶磁器まつり」、「茶わん供養・有田のちゃわん祭り」が開催される。今回のイベントを訪れて有田を訪ねてみたくなったら、秋の行楽シーズンに有田の地で有田焼に触れるクラフトツアーの相談もできそうだ。