東京都墨田区にある「すみだ北斎美術館」は、12月18日(水)~2025年3月2日(日)の期間、企画展「読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー」を開催する。
江戸時代に使われていた太陰太陽暦は、現在の暦とは異なり、月の日数は、30日(大の月)か29日(小の月)で、同じ月でも毎年日数が異なった。そのため、生活の上では、その年の何月が大の月で、何月が小の月かを知ることが重要だった。そこで、小さな摺物(非売品の私的な版画)に描かれた絵の中に大小の月をしのばせて、ユーモアやウィットに富んだデザインの暦が制作されるように。この「絵暦(えごよみ)」が江戸時代に大流行した。同企画展では、すみだ北斎美術館が所蔵する絵暦を展示し、江戸時代に栄えた暦の文化の一側面を紹介する。
例えば、葛飾北斎の作品「鶯と金太郎」は、よくみると金太郎の横に置かれている斧に「小」という文字と、刃先に「正、五、六、八、十、十一」の文字が描かれている。1・5・6・8・10・11月が小の月であったのは、寛政11年。この年に配ったものということが分かる。どこに大小の月が隠されているか読み解きつつ、小品ながらもアイデアと技法をこらした作品を楽しもう。
期間中の前期(12月18日~2025年1月26日)と後期(2025年1月28日~3月2日)で、一部展示替えを行う。観覧料は、一般1000円、高校生・大学生700円、65歳以上700円、中学生300円、障がい者300円(付き添い者一人も同額)、小学生以下無料。観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)、常設展プラスも見ることができる。一般以外の料金対象者は年齢等の確認できるものを持参する。
関連イベントとして、同企画展担当学芸員によるスライドトーク、講演会「浮世絵・暦の出版統制と大小暦」、ワークショップ「季節のハガキを摺ってみよう」も予定している。いずれも参加費無料。
前売り券・オンラインチケットの発売日・当日観覧券の発売日・販売方法や、各種割引の詳細、団体の来館、最新のイベント情報は、すみだ北斎美術館公式ホームページに掲載している。