問い合わせたいことがあって企業に電話をかけようと思ったら、電話番号が探せなかったという経験はないだろうか。営業のツールとして重要と思われる電話番号を、非公開にしている企業は意外に多いようだ。FUTUREWOODS(東京)がこのほど実施した、設立年別の企業5000社を対象に行った連絡先掲載率の調査では、新興企業の3社に1社以上が電話番号を非公開にしている実態が明らかになった。
調査対象は、企業サイトに掲載されている電話番号、FAX番号、お問い合わせフォーム、メールアドレスの4つとしたが、調査の結果、まず電話番号・FAX番号の掲載率が大幅に減少していることが判明。具体的には、1999年以前設立企業と2021年以降設立企業を比較すると、電話番号掲載率には28ポイント、FAX番号掲載率には52ポイントの差が生じるなど、設立年が新しい企業ほど、従来型のコンタクト手段の掲載率が著しく低下する傾向がある。たとえば、電話番号掲載率は、1999年以前設立企業は92%に対して2021年~2025年設立企業は64%にとどまり、さらにFAX番号になると、83%に対して31%と大幅に低下する。
一方、お問い合わせフォームは2021年以降にやや減少しているものの、設立年にかかわらず80%以上の高い設置率を維持した。また、メールアドレスは新しい企業ほど公開率がやや低下する傾向がある。
お問い合わせフォームの掲載率が80%以上と高い一方で、メールアドレスの公開率は約30%にとどまっていることについて、企業は直接的な連絡先よりも「自社のペースで対応できる」コンタクト手段を優先している傾向が強いと同社では分析している。