再生可能エネルギーが普及し設置が進んできた太陽光パネルは、2030年以降、大量廃棄の時代を迎えるといわれている。この課題に、地域資源の活用に取り組むブルーファーム(宮城県大崎市)と、海馬ガラス工房(仙台市)がタッグを組んで挑戦している。廃棄される太陽光パネルのガラスを再資源化し、照明プロダクトとして再生するアップサイクルプロジェクト「Daylight Glass(デイライトグラス)」が本格スタートした。
「光を生み出してきたガラスが、再び光を灯す」というコンセプトのもと、宮城県から新たな循環型プロダクトのあり方を提案するプロジェクト。太陽光パネルに使用されているガラスは再利用が難しく、多くがガラスとして再資源化されず、土木資材などとして利用されているのが現状だという。主な要因は、太陽光パネルからガラスをはがす際に、鉄や樹脂などの異素材が混入してしまうこと。海馬ガラス工房は独自技術でこれらの課題をクリアし、廃太陽光パネルガラスの再ガラス化に成功したという。
「Daylight Glass」は、この独自技術を活用し、ガラスを再度ガラスとしてリサイクル。環境課題の解決とデザイン性・機能性を両立したプロダクト開発に取り組んでいる。新たにガラスを製造する場合と比較して、約20%のCO2削減にもつながるとされている。商品は、「量産型プロダクト(想定価格1~2万円)」と、「アート性の高い高付加価値モデル(同10~30万円)」で展開予定。2026年8月にクラウドファンディングをスタートし、10月に仙台市で展示会・お披露目を実施、2026年内の発売を予定している。
また、両社は、太陽光発電事業が終了した跡地を最終的に森へと再生していくことまでを、同プロジェクトのゴールと位置づけているという。将来的には、不要となった製品の回収・再活用を行い、廃棄されないプロダクトの実現に取り組んでいくとしている。
海馬ガラス工房・代表の村山耕二氏は、「これまで培ってきたガラス再生の技術を生かし、ガラス業界でも課題とされてきたこの問題に挑み、新たな素材として再び価値を与えることに取り組んでいます。Daylight Glassを通じて、素材の可能性と循環の在り方を社会に提案していきたいと考えています」。ブルーファーム・代表取締役の早坂正年氏は、「宮城県は震災を経験した地域だからこそ、エネルギーや資源の在り方に向き合う責任があると考えています。光を生み出してきたガラスが、再び光を灯す。そして、今後の自然災害への備えとして、全国の家庭に普及していくようなプロダクトを開発したいと考えています」とコメントしている。










