マンション購入後、「上階の足音が思った以上に響く」「隣室の生活音が気になる」といった悩みを抱える人は少なくないだろう。しかし、住宅を選ぶ際に断熱性能や耐震性能は比較できても、「音環境」を客観的に判断できる情報はほとんどないのが現状だ。こうした課題の解消に向け、一般社団法人日本住環境防音協会(JACReS・大阪市)は2026年度から住宅・マンションの遮音性能を評価するプロジェクトを本格的にスタートする。
同協会は、不動産、建設、音響分野の企業15社が参画する団体。大学研究機関と連携し、第三者による実測評価体制を整備し、「遮音性能の見える化」という住宅選びの新たな判断基準づくりを進める。
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、居住者間トラブルの原因として最も多かったのが「生活音」で43.6%を占め、過去5年間で増加傾向にある。一方で、購入や賃貸契約前に遮音性能が開示されるケースは少なく、実際に住み始めてから問題に気付くケースが後を絶たないという。
プロジェクトでは、2026年度はまず、大学研究機関と共同で床衝撃音や遮音性能の実測評価を開始するほか、一般消費者にも分かりやすい認証制度の研究開発を進める。また、優れた音環境を備えた住宅の認定・表彰制度の構築や、セミナー・調査研究による情報発信、住宅性能評価制度への政策提言も視野に入れる。
代表理事の川口貴之氏は、「住宅の品質を語る上で『音』は決して後回しにされるべき要素ではない。耐震性能を見るように、遮音性能で住宅を選ぶ時代を実現したい。学術的根拠に基づく客観的な評価体制を整え、業界横断で普及活動を進めたい」とコメントしている。








