独身者が現在、結婚をためらっている理由や、将来、不安に思っていることなど、懐事情に彼らの気持ちが左右されている様子が、ジブラルタ生命保険(東京)が実施した「おひとりさまに関する調査2022」で明らかになった。
独身者の生活満足度は、満足層が全体の52.0%、不満足層が48.0%と、ほぼ拮抗(きっこう)していた。現在の生活に満足している人の割合は、男女とも20代が最も高く、20代男性では61.9%、20代女性では63.4%。他方、最も低かったのは40代男性で4割未満にとどまった。
おひとりさまの現在の貯蓄額を尋ねたところ、約4分の1が「ない」と回答した。全体の平均は707万円、男性では735万円、女性は680万円だった。
さらに老後に備えてリタイアまでに準備したいお金については、男性では2530万円、女性では2057万円を考えているという答えだった。
1カ月の平均支出実態に関しては、「旅行・レジャー」に1万2570円、「ストレス発散」に1万1290円、「友人との交流」に9999円、「健康増進」に4760円という金額が明らかになった。おひとりさま消費はメリハリハッキリの傾向があるようだ。
さらに、“結婚=幸せ”ではないと思うか聞いたところ、「そう思う(幸せではない)」が76.5%、「そう思わない(幸せだ)」が23.5%で、結婚することが必ずしも幸せであるとは限らないと感じている人が多いようだった。
「結婚しないと思うか」と尋ねたところ、「そう思う(結婚しないだろう)」は71.0%、「そう思わない(結婚するかも)」は29.0%だった。男女とも結婚しないと思っている層が、20代では4割前後、30代以上では半数を超えていた。
「20代・30代という若年世代のおひとりさまの約半数が、結婚や結婚生活は何らかの理由で自身には合わない・難しいと考えている状況や、そもそも結婚願望を持たない状況、結婚や結婚生活への期待が薄れている状況にあるようです」(ジブラルタ生命保険)。
「結婚していない理由」については、男性では「自分の収入が少ない」(33.5%)、「結婚したい相手と出会えない」(28.9%)、「自由に時間を使いたい」(28.3%)。女性では「自分は結婚に向かないと思う」(38.7%)、「結婚したい相手と出会えない」(37.1%)、「自由に時間を使いたい」(35.9%)という結果だった。
おひとりさまが将来について不安を感じることのトップ3は「老後の生活費」、「自身の病気」、「親の介護」だった。20代男性では「仕事」、60代では男女とも「自身の病気」になることが将来的には不安だと回答した。
独身者が普段楽しんでいることのトップは「テレビ・動画」、「音楽」、「ショッピング」。女性では「ショッピング」、「友人との交流」、「グルメ」が高い結果だった。一方、男性では「運動・スポーツ」、「ドライブ」が多く挙げられた。
「独身ならではの苦労」を実感したエピソードを答えてもらったところ、「具合が悪いときに、介抱してくれる人が誰もいないのはつらかった」(50代男性)や「入院するとき自分で準備をすべてしないといけなかったのは大変だった」(同)といったエピソードが多数あった。「クリスマスやお正月のときにはいつも寂しさを感じる」(20代女性)、「いくつになっても独身の理由をしつこく聞かれる」(50代女性)、「独身だからと仕事の休みが取りにくかったり、仕事をおしつけられたりすることがある」(40代女性)といった答えも。
今回の「おひとりさまに関する調査」は2022年10月27日から11月9日に、全国の20才~69才の未婚男女を対象に、インターネットで行われた。有効回答数は4700人で、内訳は男性、女性ともそれぞれ2350人だった。