常陽銀行(茨城県水戸市)はこのほど、茨城県近代美術館と日本経済新聞社が共催する企画展「速水御舟展」に協賛し、県教育委員会に同企画展の図録を寄贈した。
寄贈された図録は、文化・芸術教育活動に役立ててもらうため、茨城県内の小・中・高校および特別支援学校の約850校へ配布される。
2023年2月20日、常陽銀行の西野英文(にしの・ひでぶみ)取締役副頭取から茨城県教育委員会の森作宜民(もりさく・よしたみ)教育長への図録の贈呈式が行われた。
西野副頭取は「これが34回目の図録進呈となります。茨城県内における美術・芸術の振興のお役に立つことができればと思っています」と語った。
それに対して、森作教育長から謝辞が述べられた。
「常陽銀行さまには、平成2(1990)年度より毎年図録を寄贈して頂いており、今回も869点を県内の各学校に配布させて頂きます」。
常陽銀行をはじめ県内13の企業パートナーが、資金提供を通じて、文化・芸術活動を普及・支援するメセナ活動の一環として協力した。
翌21日に「速水御舟展」の開幕を控えて、開会式も同美術館で行われた。尾崎正明(おざき・まさあき)館長は開会式で述べた。
近代日本画をけん引した速水御舟。「本来であればそういう人物や作品を掘り下げる展覧会はもっと多く開かれてしかるべきだと思いますが、すべてが目まぐるしく動いている時代なので、人の目に触れる機会が少ないと、あっという間に忘れ去られてしまいます」
「美術に携わる我々はともかく、一般の人たちから遠ざかってしまうのは事実。そういう一般の人たちに、近代美術史のなかで重要な役割を担った御舟の作品を知ってもらいたいという思いでこの展覧会を企画しました」
速水御舟(1894-1935)は緻密な描写による写実表現などを特徴としており、明治末期から昭和初期にかけて近代日本画をけん引した画家。
同企画展は3月26日まで開かれる。