まめ学

詳細にこだわらず本質を学ぶ  大学の先生が教える歴史地理

main

 出来事と年を暗記する歴史という科目の単調な作業を思い出しつつ、大人になって歴史小説を読み、こっちの入り口から入りたかったという人は多い。『大学の先生と学ぶ はじめての歴史総合』(北村厚著)、『大学の先生と学ぶ はじめての地理総合』(佐藤廉也著・KADOKAWA・東京、税込み各1760円)が発売された。細かい知識にこだわらず、考え方や見方という本質的な柱を指南してくれる教科書だ。

 「歴史総合」「地理総合」は、新学習指導要領の実施に伴い、2022年度から高校で必修となった新科目。歴史総合は、世界史と日本史が統合され、世界と日本の近現代史を一科目で同時に学ぶ。地理総合では、地理科目が半世紀ぶりに必修科目となったことや、GIS(地理情報システム)や防災といった項目の新設が特徴だ。アクティブラーニングやディスカッションなど、「主体的・対話的で深い学び」が求められ、現場の戸惑いも大きい。そこで、歴史と地理に詳しい大学の先生が、各科目の急所を解説したのがこの本。高校の授業や入試はもちろん、その後も役立つ汎用的な知的探究へといざなう。