そんな福士にとって新たな挑戦ともなったのが、英語での芝居を必要とする「THE HEAD」Season2だろう。世界90カ国で放送・配信され、大成功を収めたSeason1の配信から3年、待望のSeason2では、新たな隔絶された場所、太平洋のど真ん中を航海する“ある科学ミッションを担った巨大貨物船”が舞台となる。
気候の変動から全人類を救い、世界を変えるという崇高な目的のもとに集まった天才生物学者たちが研究に励む中、共同研究員の一人が首のない死体として見つかった。Season1で明らかになった衝撃の真実、そして天才生物学者・アーサー(ジョン・リンチ)と医師・マギー(キャサリン・オドネリー)の因縁は、このSeason2でも物語の中心となっている。
極限状態の中、立て続けに予想外の事件が起こり、追い詰められていく研究員と船の乗組員たち。誰もが疑心暗鬼になっていく中、徐々にそれぞれの欲望や野心も浮かび上がってくる。
本作で福士が演じるのは、船内の研究員たちをサポートするエンジニア。第1話から登場し、聡明(そうめい)さを感じさせるたたずまいを見せる。さらに、唯一外部と通信する手段を持つ彼は物語のキーとなるアーサーからの頼みで、SNS上で謎の人物の居場所を追跡する。
Season1同様、第1話から次々に殺人事件が起こり、船内が混沌(こんとん)を極めていく中、はたして、福士が演じるユウトがメッセージをやりとりした人物は誰なのか…。先が読めないストーリーが続く。
福士にとって「念願の海外作品」だったという本作。出演が決まったときは「『これは真実なのか!?』と思うほどびっくりしました。と同時に、非常にうれしかったです」と心境を語っている。
全編英語となる本作では、福士も流ちょうな英語を披露しているが、実は「これまでも英語のアクティング・レッスンや、海外作品のオーディションを受けていた」と明かす。英語での演技はこれまでになく新鮮で、新たな福士の姿も見どころの一つだろう。
物語の冒頭からそれぞれの登場人物の過去も少しずつ明かされていくものの、第1話ではユウトの詳細はまだ不明。彼がどんな思いを持って船に乗り込んだのか、そして事件にどのような形で関わるのか。今後の展開にも期待が高まる。
(嶋田真己)