エンタメ

東京・下町に生きる家族と隣人が織り成す人間模様を描いた『こんにちは、母さん』/ディズニーランドの人気アトラクションを実写映画化した『ホーンテッドマンション』【週末映画コラム】

『ホーンテッドマンション』(9月1日公開)

(C)2023 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 医師でシングルマザーのギャビー(ロザリオ・ドーソン)は、ニューオーリンズの奥地に建つ不気味な洋館「ホーンテッドマンション」を破格の条件で手に入れ、9歳の息子のトラビスと共に引っ越してくる。ところが、一見豪華なマイホームで、2人は想像を絶する怪奇現象に何度も遭遇することになる。

 そんな親子を救うため、超常現象専門家のベン(ラキース・スタンフィールド)を筆頭に、神父のケント(オーウェン・ウィルソン)、霊媒師のハリエット(ティファニー・ハディッシュ)、歴史学者のブルース(ダニー・デビート)という、個性的で癖が強いエキスパートが集結し、館の謎を解き明かそうとするが…。

 ディズニーランドの人気アトラクションを実写映画化。999人のゴーストが住むという呪われた洋館で暮らすことになった親子と、怪奇現象の解明のためやってきたエキスパートたちが、ゴーストたちと繰り広げる攻防をコミカルに描く。

 監督は、カリフォルニアのディズニーランドでキャストとして働いた経歴を持つジャスティン・シミエン。ジェイミー・リー・カーティスとジャレッド・レトが奇怪な役で助演している。

 過去にエディ・マーフィ主演作(03)があったが、これは全くの別物。館やゴーストの謎解きと並行して、それぞれの登場人物が抱える悲しみや喪失感を、チームワークを通して克服する様子が描かれる。

 当初監督が予定されていたギレルモ・デル・トロの脚本が、「暗過ぎる、怖過ぎると」され、デル・トロは降板したという。

代わって脚本を書いたケイティ・ディポルドと監督のシミエンが、いかにもディズニー印らしい、心温まるファミリー向けの映画として仕上げ、自分のようにアトラクションを体験したことがない者でも楽しめる作品とした。ディズニーランドで働いた経験が生かされたに違いない。

(田中雄二)