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【週末映画コラム】人類初の月面着陸を描いた“変化球映画”『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』/1人の少女の恐るべき妄想を描いた『あのコはだぁれ?』

『あのコはだぁれ?』(7月19日公開)

(C)2024「あのコはだぁれ?」製作委員会

 目の前で恋人の悠馬(染谷将太)の交通事故を目撃したほのか(渋谷凪咲)。彼女は、夏休みに臨時教師として、瞳(早瀬憩)、タケル(山時聡真)、蓮人(荒木飛羽)、大樹(蒼井旬)、まり(今森茉耶)がいる補習クラスを担当することになった。ところが、まりが突然屋上から飛び降りて不可解な死を遂げる。

 教室にいるはずのないさな(穂紫朋子)の存在に気付いたほのかが、瞳やタケルとともに調べてみると、生徒たちの間でささやかれる、そこにいないはずの“あのコ”についての驚くべき真実にたどり着く。

 『呪怨』(00)『犬鳴村』(19)『ミンナのウタ』(23)などの清水崇監督による学園ホラー。『ミンナのウタ』を引き継ぐ内容で、謎のカセットテープやさなの存在、探偵の権田(マキタスポーツ)も引き続き登場する。とはいえ、単品として見てもちゃんと成立している。

 よくある“学校の怪談話”に、1人の少女の恐るべき妄想を絡めた怪奇譚。音や音楽が重要な役割を果たし、恐怖を盛り上げるが、驚かすための不自然な動きなどでは思わず笑ってしまうところもあった。ゾンビ映画もそうだが、まさにホラーとコメディーは紙一重という感じがした。

 ほぼホラー映画一筋の清水監督。手を替え品を替え、同じジャンルの映画を作り続けるところには頭が下がる。

(田中雄二)