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110歳まで生きるためには何が必要!?90歳代になったら必要なことは筋トレ?

■95歳を超えた人は100歳を超える可能性が高い

2024年11月1日現在、日本の最高齢者は男性110歳(大正3年生)、女性116歳(明治41年生)です。100歳を超えている人は、男性1万1161名、女性8万3958名、合計9万5119名です。「90歳代はまだまだ若い」なんて言葉が聞かれる時代は、すぐ目の前かもしれませ
90歳を過ぎた人は、生来丈夫な人と思われがちですが、来院される患者様のお話を伺っていると、皆さん一様に努力されていることが分かります。
中でも健康を維持するために必要な

1. 食事
2. 睡眠
3. 休養
4. 運動
5. 社会(住居)環境

には、十分配慮しています。若い時と同じようには動けないからだになり、記憶力や思考力が低下していても、そのことを受け入れるこころを兼ね備えている印象です。
厚生労働省の令和5年簡易生命表によると、2つの視点で分析しています。1つは「平均寿命」です。男の平均男に比べて女の方が長生きだということは良く知られています。どこの国でも平均寿命は延びて来ています。日本と変わらない寿命の国も多くなって来ましたが、男が女よ理長生きしている国は、2024年5月現在ありません。
もう一つの視点は、「平均余命」です。その年代になったとき何年くらい生存しているかという見方です。
90歳になった時の平均余命は

男4.22歳 女 5.53歳

です。つまり、90歳まで生きた人は

男94.22歳 女95.53歳

迄生きる可能性があるということです。
90歳代になった時、動けなくなっているか日常生活を自立できているかで平均余命は変わると思います。個人的な印象ですが、92歳~93歳くらいの時自立生活が困難になった人が標準的な平均余命の対象者だ敏な状態になってから天寿を全うするまでの期間が2~3年という事です。
年々平均余命の前年比が伸びています。介護をする施設や介護技術が年々向上していることを意味していると思われます。個人的な意見ですが、95歳ごろに自立生活が可能な人は、100歳を超える可能性が高いと思っています。

■90歳代に必要な運動は歩くこと⁉ 歩くために必要な筋トレとは?

90歳代を迎え、病気をしたことが無い人がいたら驚きです。人生のお師匠さんです。「100歳を迎えた100人に聞きました』という特集の本を作ると、健康な生活を送る秘訣が学べる国民の教科書になるかもしれません。
健康に必要なことはたくさんありますが、活動範囲の低下を防止することが大切だと考えます。自立した日常生活を送るためには筋力が必要です。歩くために必要な筋肉は、足の裏やふくらはぎの筋力です。私は、40年以上に及ぶ臨床経験から、年代毎に必要な高齢者の運動量を、下記の様に考えています。

年代       週       日
60歳代後半  週3日間   50分~1時間程度
70歳代前半  週4日間   40分程度
70歳代後半  週5日間   30分程度
80歳代    週6日間   20分程度
90歳代    週7日間   15分程度

上記は、筋力低下を防ぐために必要な最低限の総運動時間です。いずれの年代も連続して行う必要はありません。あくまでの1日の総運動時間の目安です。可能ならそれ以上運動することが望ましいと言えます。
90歳代の人も同様に、15分の運動を連続して行う必要はありません。朝5分昼5分夕方5分合計15分問う考え方で大丈夫です。毎日15分歩くことにより、足の裏(足底筋)やふくらはぎ(腓腹筋・吉良メ筋)の筋力低下予防になると考えます。
90歳代の人は、筋力が低下しているため、歩く速度が遅くなります。また、体力が低下して長い距離を歩けなくなります。そのため、目的地に辿り着くことが難しくなります。
活動範囲が低下すると

1. トイレへ行くことが困難になる
2. トイレに間に合わなくなるとおむつを着用するようになる
3. おむつで用を足すようになるとますます動かなくなる
4. 動かなくなると筋力低下が助長される
5. 筋力が低下すると歩けなくなり寝たきり状態となる

という推移をたどります。そのため、足の裏(足底筋)やふくらはぎ(腓腹筋・キラメ筋)の筋力低下予防が大切です。
足底筋や腓腹筋・キラメ筋の筋力向上には「その場歩き」が効果的です。その場歩きの方法は、

1) 立位になる まっすぐ立てない人は椅子の背もたれなどにつかまる
2) 前を見て可能な限り背筋を伸ばす
3) つま先を離さないで右かかとを上げる(可能な限り床から離す)
4) 右かかとを下げながら左かかとを上げる(可能な限り床から離す)
5) 3)と4)を繰り返す

立位になれない人は椅子に座った状態でも結構です。
運動していない人は3回繰り返すだけで疲れます。1週間くらい1日3回行います。2週間目以降慣れてきたら、1日に朝昼晩3回各3回ずつ行います。食事前に行うルーティンにするといいと思います。この回数が増えるようになったら、歩く距離が長くなると思います。1か月後には各5回ずつ、2か月後には各7回ずつ、3か月後には各10回ずつできるようになったら、「平均余命」は確実に伸びると考えます。
「その場歩き」は、大きな病気をして歩行が困難になった人にも有効です。手術後、歩くことが困難な人におすすめです。
筋力は90歳代でも向上することがわかっています(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所参照)が、70歳代、80歳代から90歳代に備えることは大切です。ご興味がありましたらJIJICO内の下記コラムをご参照戴きたく思います。

80歳代に関することは「自立した生活が困難になるのは85歳⁉ 80歳になったら手を振って歩き 良く噛む事をこころがけましょう
70歳代に関することは「78歳は体力低下の転換期⁉70歳を過ぎたら日常生活動作と深呼吸を大切に

■90歳代の人が活動範囲を広げるための筋トレとは?

活動範囲が狭くなる理由の一つは、歩幅が小さくなることです。歩幅を大きくするためには、脚を前へ出す筋力が必要です。脚を前へ押し出すためには、ふととも、お尻やお腹の筋力が必要です。それらの筋力向上に有効な運動は、スクワット(squat)です。スクワットとは「しゃがむ」という意味です。筋力トレーニングでは、様々なスクワットの方法があります。
90歳代の人が行う方法で適当と思われるやり方は以下の通りです。

1) 立位になる まっすぐ立てない人は椅子の背もたれなどにつかまる
2) 自然体で立つ 自然体とは腰幅程度に足を開きつま先は45℃外へ向ける立ち方
3) 息を吸いながら背筋を伸ばしたままゆっくりしゃがむ
4) 可能な範囲で出来る限りお尻を床に近づける
5) 息を吐きながら背筋を伸ばしたまま立ち上がる
6) 3)と5)を繰り返す

これが1回でも出来たら、歩く筋力があると言えます。運動していない人は3回繰り返すだけで疲れます。1週間くらい1日3回行います。2週間目以降慣れてきたら、1日に朝昼晩3回各3回ずつ行います。食事前に行うルーティンにすると良いと思います。この回数が増えるようになったら、歩く距離が長くなり歩く速度が速くなります。1か月後には書く5回ずつ、2か月後には各7回ずつ、3か月後には各10回ずつできるようになったら、「平均余命」は確実に伸びて、100歳を過ぎても自立生活が可能になると思います。
立位で出来ない人は、仰向けになり両脚そろえて可能な限り上げる方法も有効です。90歳代の人が行う方法で適当と思われる「脚上げ」のやり方は以下の通りです。

1) 仰向けになる 床はやや硬めで背中が冷えない場所に寝る 腰が沈む場所は不可
2) 息を吸いながら両脚を上げる 両膝の内側を付けて上げるのが望ましい
3) 息を吐きながら両脚を下ろす 両膝の内側を付けて下ろすのが望ましい
4) -1 両脚を上げることが困難な人は 息を吸いながら片脚を上げる
4) -2 息を吐きながら片脚を下げる
5) ―1 息を吸いながら反対の片脚を上げる
6) -2 息を吐きながら反対の片脚を下げる

毎日1日1回から始めます。両脚があげられない人は、片足ずつ行います。2回以上可能になったら連続して業います。

7)  2)と3)を繰り返す

または

8)  両脚を上げることが困難な人は4)の1と2を繰り返したのち5)の1と2を繰り返す

連続して行うときは、脚が床に着く前に再び上げます。脚を上げる角度は可能な限りで大丈夫です。腰が痛くならないようにすることがポイントです。やり方は工夫が必要ですが、大切なことは毎日繰り返し行うことです。
双子で長生きしていた「きんさんぎんさん」が90歳後半から筋トレをして歩けるようになった話は有名です。(きんさんのきんトレをご存知ですか きんさんが教えてくれた歩くことの大切さ!)動くことができなくなった金さんは、107歳まで元気に暮らしました。一緒に筋トレに付き合ったぎんさんは、108歳です。90歳からでも筋トレが必要だという事を物語る話です。
生涯元気に過ごすためには、20歳代から60歳代の過ごし方も大切です。若い世代の過ごし方に関してご興味がありましたら、JIJICO内の下記コラムをご参照戴きたく思います。
40歳から60歳代に関することは、JIJICO内にあるコラム「人生100年時代を生きる体力の転換期は62歳?体力低下を防ぐ秘訣はあるのか!?
20歳から30歳代に関することは、JIJICO内にあるコラム「青春時代の体力転換期は26歳?身体力低下を防ぐ秘訣はあるのか!?」をご参照戴きたく思います。

■鍼灸治療やヨガ(YOGA)治両は90歳代の自立生活支援に最適です

110歳まで生きるためには、内臓が上部であることも欠かせません。内臓疾患がある人や運動すると膝や腰に痛みが出る人に、鍼灸治療は強い味方です。鍼灸治療は身体の外側から内臓機能に働きかけることが可能な、「内外科治療」です。薬物治療(内科治療)で効果を得られない人や外科手術(外科治療)をしても痛みが消失しない人は、是非鍼灸治療(内外科治療)をお試し戴きたく思います。鍼灸治療で体の調和を取り、筋トレを継続し手元気な90歳代をお過ごし戴きたく思います。
鍼灸治療をご希望の人は、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療提供施設にご相談ください。
身体機能や心肺機能の向上に、ヨガ(YOGA)は最適です。ヨガ(YOGA)療法は、その人にあったカリキュラムを作成して行いますので、高齢者や体力が低下している人でも可能です。90歳になってからでも始めることが出来ます。ご希望の人は、清野メディカルヨーガもしくはお近くのヨガ教室にご相談戴きたく思います。
日常生活の養生法について詳しくお知りになりたい人は、清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」をご参照戴きたく思います。清野が呼称する養正(ようせい)治療は、日常の適正な生活です。

<筆者略歴>

清野 充典:鍼灸師  1982年、西洋医学を理解した東洋医学者の育成を目指し世界で初めて設立された鍼灸医学専門教育機関「明治鍼灸短期大学(現明治国際医療大学)」鍼灸学部を卒業。1987年2月2日、東京都調布市で清野鍼灸整骨院を開院。明治国際医療大学客員教授、早稲田大学特別招聘講師等歴任。
 「鍼灸を国民医療」にすべく、東京大学、早稲田大学、順天堂大学等の日本国内を始め、海外の様々な大学や医療機関の人たちと研究を進めている。

 1991年には、東京都府中市で分院の清野鍼灸整骨院府中センターを開設。1985年から清野メディカルヨーガを主宰し、保健活動を行っている。毎週木曜日に「ヨーガ教室」を開催して多くの人に東洋医学に基づいた健康管理方法を伝えている。

清野 充典:鍼灸師

(清野 充典:鍼灸師)

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