-演劇「ハイキュー!!」の初演から携わってきた須賀さんにとって、日向という役はとても思い入れのある役だと思いますが、それを加藤さんに引き継ぐことについては、どんな思いがありますか。
須賀 おっしゃるように、僕にとって特別な役ですし、思い入れはとてつもなく大きいものがあります。ただ、その役を(19年の公演から日向を演じた)醍醐(虎汰朗)くんたちが引き継いでくれたときに、彼らにしか出せない色があると感じましたし、彼らの座組みになったのだと感じました。それはいいことも悪いことも全部変わっていくということだと思っているので、今回に関しても、日向を(加藤に)継いでもらうという感覚よりは、彼と烏野高校(※劇中で日向の通う高校)のメンバーが一つのチームとなって作っていってもらえたらうれしいです。それから、僕は烏野のみんなと出会えて本当に幸せだったと思ったし、この人たちと芝居ができて幸運だったと思うので、そういう出会いを彼らもしてくれたらうれしいというのが今、一番の思いです。
加藤 そんなすごいものを僕が受け継ぐというのは、すごくプレッシャーですが、それぐらい大切なことに僕が関われるのは貴重なことだと思いますし、僕の責務を全うできるように頑張りたいと思います。
-ところで、須賀さんも加藤さんも子役として活躍してきましたが、互いに共通点はありますか。
須賀 身長が同じぐらいです(笑)。(加藤は)まだ高1なので、これから伸びて、僕とは全く違う役者人生を歩んでいくと思いますが。ただ、特殊な世界でもありますから、そういう意味ではそれ以外にも共通するところもあるのかもしれません。例えば、負けん気は少なからずあるのかなと。
-オーディションを見ていて、「子役ならではだな」と感じることもありましたか。
須賀 子どもの頃からやっているといっても、オーディションは嫌いだよね? 僕は大嫌いだった。でも、「オーディションで誰か一人が選ばれる」という環境の中でずっとやっているからこそ、負けず嫌いにならざるを得ないというところはあると思います。
加藤 その通りだと思います。僕も少なからず負け嫌いな部分はあるので。オーディションは苦手ですし、緊張しますが、それを乗り越えてきているというのは共通点なのかなと思います。
-では、改めて公演に向けての意気込みを。
加藤 がむしゃらに全力で日向翔陽を演じていこうと思うので、楽しみにしていてください。
須賀 今まで演劇「ハイキュー!!」を応援してくださっていた皆さんも、今回から知ってくださる皆さんも、いろいろな視点で楽しんでいただける作品にしたいと思います。何よりも原作の持つ力が素晴らしいので、そこをお伝えできるように頑張っていきます。至らぬ点は多々あると思いますが、ぜひ劇場にてお待ちしております。
(取材・文・写真/嶋田真己)
劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演は、8月に上演。公式サイト