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「らんまん」田村芽実「大好きな片桐はいりさんのお芝居を研究しました」入念な役作りで挑んだ朝ドラ初出演【インタビュー】

-初登場のとき、仕事の後で汚れていた万太郎に、初対面でいきなり「汚い!」と悪態をついたシーンもコミカルで印象的でした。あのシーンの撮影はいかがでしたか。

 事前に、万太郎に対する気持ちが変化してくるあたりまで台本を頂いたので、できるだけそことの落差を出そうと思っていました。監督からも「大畑家は、わいわいガチャガチャやってほしい」と言われていたので、それも心掛けて。セットも緻密で、実際ににおいがするわけではないんですけど、職人が汗水たらして働いている様子がリアルに感じられたんです。おかげで、作り込んだ「汚い!」ではなく、その場で心の底から出た言葉として言えた気がしています。

-万太郎役の神木さんとのお芝居はいかがでしょうか。

 感情の起伏が激しい佳代を演じる私と「初めまして」でお芝居をしなければいけないので、どう来るか分からない部分もあったと思うんです。でも、私がどんなお芝居をしても、すごく大きな器で受け止めてくださって。今までテレビで拝見していましたが、実際にお芝居をしてみて、そのすごさを肌で感じることができました。

-朝ドラに出演して、ご自身の新たな一面を発見したことはありますか。

 もともと私は、舞台女優を目指していて、少しずつ映像のお仕事を頂くようになったんですけど、今までは「ここにいていいのかな?」という“畑違い”のような気持ちがあったんです。でも、こうして朝ドラの現場で皆さんに温かく迎えていただき、これだけ個性的な役を自由にやらせていただけたことで、一つ脱皮できたような気がしています。おかげで、「自分はどんな女優なりたいんだろう?」と改めて考えるきっかけにもなりました。子どもの頃から、片桐はいりさんや小林聡美さんのような“個性派”と呼ばれる女優さんが好きだったことを思い出し、私もそういう女優になりたいという明確な夢ができました。

-最後に視聴者へのメッセージを。

 今回、朝ドラに参加させていただけたことをとてもうれしく思っています。ただ、自分の中ではまだ落とし込み切れず、ふわふわしている感じです。子どもの頃、朝ご飯を食べながら朝ドラを見ていましたが、朝ドラを見ると「心のラジオ体操」みたいな感じで、1日のスタートがとても晴れやかなものになる印象があるんです。だから皆さんも、ぜひ「らんまん」をご覧になって、毎朝「心のラジオ体操」で心を整え、いい1日を送っていただけたらうれしいです。

(取材・文/井上健一)

大畑佳代役の田村芽実 (C)NHK