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吉岡里帆「一つの映画やドラマで人生が変わることもある」 脚本家役を演じたミステリーの現場で感じたその力「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」【インタビュー】

-湊さんに会えたことがお芝居にも役立ったと?

 そうですね。実はそれまで「湊先生に失礼があってはいけない」、「湊先生が考える真尋をトレースしなければ」とプレッシャーを感じていたんです。でも、お会いしたとき、私をまっすぐに見て、「真尋はこういう顔をしていたんだね。今をもって更新されました」と優しくおっしゃってくださって。そのとき、私が演じる真尋を受け入れてくださったことを感じて、安心して演じられるようになりました。

-本作で描かれている「希望」という点に関して、吉岡さんご自身が映画に救われた経験はありますか。

 もちろんです。素晴らしい映画に出会ったときは、その余韻がずっと続いて、満たされた気持ちにもなりますし。答えを提示してもらったような気になって、価値観がガラッと変わることもありますから。

-どんな作品に救われてきましたか。

 たくさんありますが、大ヒットしたインド映画『きっと、うまくいく』(09/“3バカ”と呼ばれる学生時代の仲間たちの絆をコメディータッチで描いた物語)を見た時は、明らかに自分の心がポジティブになっていることが分かりました。最近では、飛行機の中で久しぶりに『キューティ・ブロンド』(01/陽気でポジティブなヒロインが、一念発起して入学した名門法律学校で奮闘するコメディー)を見たんですけど、かわいいものが大好きで、自分に自信を持っている主人公がとてもすてきで、最高でした。そういうマインドは、普段の生活ではなかなか芽生えないので、改めて救われた気分になりました。

-映画やドラマには、そういう力もありますね。

 そんなふうに、一つの映画やドラマで人生が変わることもあると思うんです。この作品もそういう要素が強い気がします。だから、苦しみ抜いた香と真尋の2人が希望に向かって進んでいく姿に救われる方がいたら、演じる側としてはとてもうれしいです。

(取材・文・写真/井上健一)

「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」キービジュアル

9月10日(日)午後10時からWOWOWで放送・配信スタート(第1話無料放送)