TBSは1月19日(日)21時から、主演・松坂桃李の日曜劇場「御上先生」を放送する。松坂は、東大卒でエリート文科省官僚から高校教師になった御上孝を演じる。本作は、子供が生きる「学校」、大人がもがく「省庁」という一見、別次元にあるこの2つを中心に物語は展開。未来を夢見る子供たちが汚い大人たちの権力によって犠牲になっている現実、そんな現実に1人の官僚教師と、令和の高校生たちが共に立ち向かう、教育のあるべき真の姿を描く大逆転教育再生ストーリーだ。
初回放送を前に主人公・御上を演じる松坂のインタビューが届いた。作品や役柄の魅力はもちろん、撮影現場の雰囲気や理想の教育環境について語った。
松坂桃李演じる型破りな“官僚教師”――「生徒によって教師にしてもらっている感覚も」
-本作のオファーを受けた際の思いをお聞かせください。
飯田和孝プロデューサーからお話をいただいたのが2024年のはじめごろ。文部科学省の官僚が高校に派遣され、官僚教師として令和の18歳と共に日本教育の闇に立ち向かうという企画内容を聞いて、とても興味が湧きました。今の学生たちは自分のころと比べても全く違う環境で過ごしているはず。僕自身にも家族ができたことで、今後の日本教育について考えるようになった時期だったので、すごくすてきなタイミングでお話をいただいたと思っています。日曜劇場「VIVANT」のころからお世話になっている飯田さんの熱量に応えたいと思い、ぜひとお受けしました。
-脚本の詩森ろばさんとは、映画『新聞記者』以来の再タッグになりますね。
詩森さんが民放の連続ドラマの脚本を初めて手掛けると聞いて、これは面白いものになると確信しました。詩森さんは鋭い切れ味の刀でゆっくり斬り込んでいくような、怖さをはらむ脚本を書かれる方。斬っていくプロセスでさえもハラハラドキドキするので、そこで生まれるエンターテインメント性にとても魅力を感じています。
-御上はどのようなキャラクターですか?
御上は、ある事件をきっかけに「日本の教育を変えてやろう」と文科省の官僚になったキャラクター。私立隣徳学院に出向を命じられ、渦巻く闇の中心からではなく、別の角度から闇に切り込んでいきます。“文科省にいても変わらない、だったら、現場から教育を変えてやろう”という熱量を持っている人です。エリート官僚なので何でもできてしまうタイプではありますが、決して完璧な人間ではありません。実際に生徒たちとお芝居をする中で、御上は生徒によって教師にしてもらっている感覚も。生徒たちが御上との出会いで変化していくように、御上も生徒と向き合う中で教師として成長していく話でもあるのではないかなと。
-そんな生徒たちとのお芝居で意識していることは?
御上の思いを生徒にしっかり届けるために、言葉の伝え方や、目の前にいる生徒のことを第一に考えています。教室では御上の言葉を、生徒29人、一人一人に同時に届けなければいけません。どういう話し方で、どのくらいの熱量でしゃべったら伝わるのか試行錯誤しながら教壇に立っています。
-飯田プロデューサーや宮崎陽平監督からはどんなリクエストがありましたか?
「セリフ量が多いので、話すスピードは少し速めで」というリクエストがありました(笑)。これって実は、限られた放送時間の中でメッセージを伝えるために計算しなくてはいけない重要なこと。早口ならいいというわけでもなく、視聴者の皆さんに届くようにしゃべらないといけないので、メリハリやスピード感に気を付けるようにしています。
-役作りにあたって準備したことは?
御上先生のモデルとなった工藤勇一先生(教育アドバイザー)の授業を受けさせていただきました。工藤先生の授業は本当に面白く、熱量と志にあふれていて、これは御上先生のモデルになるわけだなと。お芝居では、工藤先生の授業風景や話している姿も参考にさせていただいています。
-工藤先生の授業で印象的だった内容は?
特に印象的だったのは、「自主性」と「主体性」の違いについて。工藤先生いわく、日本の教育では「宿題をやりなさい」「◯◯を勉強しなさい」などと言われたことを自発的にやる自主性に重きを置いている一方で、これからの社会で求められるものは、自分の意志で、責任を持って行動する主体性なんだそう。劇中の御上の授業でも、生徒たちが社会に出たときに「御上先生が言っていたな」と思い出してもらえるような、社会で生きていくうえで大切なことを教えています。