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「この映画は、自分を形成してくれたさまざまな映画へのラブレター」ザック・スナイダー監督『REBEL MOON - パート1:炎の子』【インタビュー】

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-『七人の侍』の設定を宇宙に置き換えた『宇宙の7人』(80)という映画もありました。

 そうですね。例えば、『スターブレイザーズ=宇宙戦艦ヤマト』は、今回の宇宙船の形などにも影響しているし、いろいろなところにそうしたものは感じられると思います。そもそもこの映画は、自分を形成してくれたさまざまな映画へのラブレターなんです。哲学的な、映画的な視点からこの作品を見るのであれば、そういう作品だと。僕の美的感覚を養ってくれたさまざまな映画へのラブレターなんだというふうに見てくださればいいと思います。

 昨日の会見でも、『スター・ウォーズ』から『ブルーベルベット』(86)まで、自分に影響を与えてくれた作品名を挙げましたが、77年から87年の10年間が、やっぱり自分の土台になっているんです。例えば『エイリアン』(79)から『エイリアン2』(86)、それから『ブレードランナー』(82)…。特にジョン・ブアマン監督の『エクスカリバー』(81)が大好きで、僕のどの作品にも強い影響があります。神とかではなく、哲学的な、神話学的な形で影響が出ていると思います。

-最近のスーパーヒーロー映画は、上映時間がどんどん長くなっていますが、監督は以前から、長い時間で物語を描くことをしてきました。今回も2部作ですが、ストーリーと上映時間との関係について監督の中でも変化はありますか。

 ストーリーが必要としているものが映画の尺になると思いますが、関係性や感覚が変わってきているところもあるかもしれません。この作品は、基本的に4時間の映画を2部に分けているだけだと考えてもらっていいし、この夏リリースされるものは、2本とも3時間なので、トーンも全然違います。ご存じだと思いますが、規制の問題で、バイオレンスとかセクシャルな部分がカットされています。もともとは雑誌に載っていたものが基になっていて、それに寄っていくようなトーンでした。だから、全然トーンが違って、より幅広い観客に見てもらえるようなものになっています。

(取材・文・写真/田中雄二)

Netflix映画『REBEL MOON - パート1:炎の子』12月22日(金)独占配信