カルチャー

新しいお茶の楽しみ方を提案するゴンチャ グローバルチェアマン「国内500店舗めざす」

 買い物や仕事の合間で一息つきたい時にありがたいのが喫茶店。“コーヒーはちょっと苦手”という人の中には、気軽にお茶を楽しめる「ゴンチャ」がお気に入りという人もいるのでは。今回はゴンチャのグローバルチェアマンを務める、マーティン・ベリー氏に話を聞いた。

-国内で約120店舗、グローバルでは20カ国、およそ1850店舗を運営しているゴンチャの魅力について、どのように考えるか。
「まずは商品がおいしいこと。世界中から品質の良い茶葉を調達して、店舗の厨房で新鮮なお茶を提供している。次にフランチャイズ制度が魅力的なこと。起業したい人がゼロから事業を立ち上げるのではなく、フランチャイズ制度を利用して成功している」

-オーストラリア出身のマーティン氏が、台湾で設立されたゴンチャとシンガポールで出会い、韓国で出店。また日本に進出した経緯は。
「ある日、シンガポールのショッピングモールで長い行列ができている店を見つけた。“この店は何だ”と思って見たのがゴンチャ。私は韓国で住み、働いた経験があり、市場を熟知していた。ゴンチャは韓国で人気が出ると確信し、フランチャイズで300店舗を展開した。また、日本は消費者行動が韓国と似ていることに気付き、進出した。さらには創業者から事業を買収し、自分がオーナーになった」

-グローバルでは20カ国で店舗を運営している。日本市場や消費者に対してどのような印象を持ち、どう分析しているか。
「日本市場で驚いたのは、若い女性はクレープやパンケーキなど甘いものが好きということ。西洋市場にはない消費行動で、日本では甘いミルク味が好まれる」

-飲食産業が苦戦する中、コロナ禍以前より店舗数が増えている。
「消費者がゴンチャに高い愛着心を持ってくれている。店舗での購入からデリバリーに切り替えてくれ、売り上げ面で大変助かった。またフランチャイズ制度の利益モデルが確立していることも、他の飲食店が閉店や撤退する中、グローバルで20%増、500店舗を増やせた理由だ」

-日本での課題は。
「観光と円安だ。アメリカやオーストラリア、イギリスでは売り上げが回復しているが、日本を含むアジア圏は、観光客が戻っていないため、回復が弱い。海外旅行が再開すれば、既にゴンチャを知っているアジア人などによる購入が期待できる。円安は、商品を輸入する際に大きな影響がある」

-今後、日本市場での新たな展開や目標は。
「韓国の人口は日本の約半分で、850店舗を展開している。消費者行動が似ていることもあり、個人的には日本で1000店舗が可能だと思うが、会社としては 500店舗の出店を目標にしている。一番大事なことは日本の消費者に喜んでもらえる商品を提供すること」

-今年7月、グローバルCEOにポール・レイニッシュ氏が就任した。就任の背景や新体制となったゴンチャのグローバル展開は。
「グローバルで2030年までに1万店舗を出店したい。そのためには飲食産業で大きな事業体の運用経験を持った人物が必要だ。ポールはバーガーキングやサブウェイ、ファイブガイズなど大きなブランドをグローバルで展開した経験があり、飲食産業に深い知見を備えている。またゴンチャの二大市場である日本と韓国をとても深く知っていて、ゴンチャにとって最適な人物だ」

 コロナ禍以前、ゴンチャの国内店舗数は約50だったが、現在は120を超える。飲食店が苦戦する中、ゴンチャの人気ぶりがうかがえる。さらにマーティン氏は「500店舗を目指す」と意気込む。
 今年7月に販売した「ピーチミルクティー」は予想を超える人気で、一時販売が見合わせになったほど。新しいお茶の楽しみ方( Tea Style )を次々と提案する、ゴンチャの今後の展開が楽しみだ。