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3年ぶりに聖地神宮で開催 小学生の甲子園、学童軟式野球

「マクドナルド・トーナメント」全国大会が開幕

 〝小学生の甲子園〟と呼ばれる高円宮賜杯第42回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントが、3年ぶりに開催地が東京都に戻り、8月8日(月)から14日(日)まで開かれる。8日午後4時半からの開会式では、前回優勝の長曽根ストロングス(大阪府)と全国の予選を勝ち抜いてきた代表の計51チームの選手たちが、あこがれの神宮球場のグラウンドを行進。始球式には、前回に続いて巨人の元エースで、大リーグでも活躍した上原浩治さんが登場する。2020年の第40回大会は、東京オリンピックで神宮球場が使用できないため、新潟市のハードオフエコスタジアム新潟を主会場に開かれる予定だったが、コロナ禍のために大会自体が中止された。昨年の第41回大会も、同じくオリンピックのため新潟市を中心に開かれた。ただコロナを考慮し全チーム参加の開会式は行われなかった。

人生の中で大きな思い出に

 小学生の軟式野球は、プロアマを問わず、野球をプレーするすべての人たちの原点だ。その中で全国の頂点に位置するのがこの大会で、多くのプロ野球選手もこの大会を経験している。日本プロ野球界のエースで、昨年のオリンピックで金メダルに輝いたオリックスの山本由伸投手は、2010年の第30回大会に、岡山県代表の伊部パワフルズの一員として参加した。当時は投手と捕手の兼任。1回戦は和歌山県のチームに競り勝ち、2回戦であこがれの神宮球場でプレーした。惜しくも山梨県のチームに敗れたが、元ヤクルト監督の古田敦也さんと記念写真を撮ったこと、ほかの県の選手と知り合いになれたことなどがうれしかったと、当時の感想文に残している。

 今回、この大会に向けて「プロ野球の舞台である神宮球場で試合ができるという、うれしさが一番だった。チームのみんなで喜びました。全国大会なので相手も強かったのですが、勝ちたいという一心で頑張りました。今でも鮮明に覚えているシーンもあり、自分の野球人生の中で大きい思い出の一つです。試合に勝ちたいという思いは、今も小学生の時も変わっていません。いつもそういう気持ちで目の前の試合に挑んでいます」と、感想を寄せてくれた。

 

小学生の大会で最終目標

 神宮球場をホームにしているヤクルトの左の先発、高橋奎二投手も第29回大会に京都府の篠少年野球クラブで出場している。1回戦で敗れ、残念ながら神宮球場で試合をすることはできなかった。「小学生の大会で最終目標としてみんなで練習して頑張った思い出があります。当時は神宮で試合ができず悔しい思いをしたが、ユニホームに(大会の)ワッペンを着けられ、うれしく思っていました。子どもの時にはプレーできませんでしたが、ヤクルトに入団して神宮でプレーするようになり、縁を感じます。神宮でたくさん投げ、さらに努力して成績を残したい」と、子どものころの夢が大人になって実現し、張り切る毎日だ。

 

 大会は開会式に続いて9日(火)から、神宮球場など東京都内の7球場を舞台に行われ、13日(土)の準決勝と14日の決勝は駒沢オリンピック公園野球場が会場。全試合が全日本軟式野球連盟のHPでライブ配信される。