全国143信用組合の中央組織「全国信用協同組合連合会」(全信組連)の北村信理事長は7月19日、東京都内で開いた記者懇談会で「信用組合業界の変革に向けた全信組連の取り組みに大きな期待が寄せられた1年だった」と述べ、昨年6月の理事長就任から1年を振り返った。
これまでに50を超える信用組合に足を運んで直接現場の実態把握に努めてきた北村理事長は、信用組合との「地区別懇談会」なども全国9カ所で開き、多くの信用組合から寄せられる業界変革への期待を受け止めてきた。
北村理事長は、これらの期待に全信組連は応えていくとした上で「全信組連の理事長が代わるだけでは変革は実現しない。現場の課題に向き合っているのは全信組連の職員(約290人)だ。職員一人一人が主体的に考えることが必要で、変革に必要なことはどんどん提案するよう、職員の皆さんに呼びかけている」と話した。
また「信用組合を訪ねる全国行脚をして、あらためて信用組合業界の幅の広さ、多様性を感じた。信用組合には、中小・小規模事業者らが組合員の地域信用組合、組合員が同じ業種の業域信用組合、同一職場の組合員でつくる職域信用組合の3種類がある。それぞれの違いを踏まえて一つ一つの組合の実態に即したサポートをしなければならない」と指摘し、「中央組織としての全信組連は、全ての信用組合に万全のサポートを提供することを目指す」と強調した。
さらに信用組合業界を取り巻く経済環境悪化の一因とされる現在の円安については「信用組合の主要取引先である小規模事業者は、円安に伴う輸入資材の高騰分を販売価格に転嫁できないところが多い。その意味では、われわれ信用組合業界にとって円安の影響は大きい」と説明。その上で「全信組連としてどのような支援ができるか、日々の業務の中で考え取り組んでいる」とした。