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オリビア・ニュートン・ジョン初の自伝が発売中 ヒット曲の秘話、数々の恋愛遍歴、がんとの闘いなどが語られる

オリビア自伝表紙

 透き通るような「クリスタルボイス」で世界中の音楽ファンを魅了してきたオリビア・ニュートン・ジョンさんが8月8日に亡くなった。享年73才。

 そのオリビアが「フィジカル」などのヒット曲の秘話や数々の恋愛遍歴、そしてがんとの幾度にもわたる闘いを語った『オリビア・ニュートン・ジョン自伝 信じることをやめないで』(シンコーミュージック・エンタテイメント・東京)が発売中だ。

 オリビア初の自伝は英語版が2018年に刊行された。待望の日本語版(中川泉訳)は今年5月に出たばかり。それからわずか数カ月で届いた悲報で、「多数の問い合わせを頂いている。またフェイスブックのページを設けたところアクセス数が増加中」という。

 自伝では、アメリカで音楽キャリアを積み重ねていく創成期、ジョン・トラボルタとの共演で世界的大ヒットとなった映画『グリース』制作にまつわる秘話、「フィジカル」、「ザナドゥ」、「愛の告白」などのヒット曲に関するエピソードもつづられている。

 恋愛、結婚と離婚、出産、そして30年以上にわたるがんとの闘い、治療についての考え方といったプライベートについてもオリビアは率直に明らかにしている。さらにオリビアが熱心に取り組んだ動物保護活動についても触れられている。

 シンコーミュージックの編集担当者は「分厚くてページ数も多い自伝ですが、オリビアの全てが描かれています。生い立ち、恋愛、結婚、歌、レコード会社とのあつれきなどもあますことなく書かれており、すごい本だという印象を持っています」と語る。

 さらに、「また、がんに対してどう取り組んでいるかが克明に描かれており、がんを患っている方、特に女性にはぜひ読んでもらいたい。治療法も、抗がん剤を使わず、大麻や漢方などを試み、日本でもし認められれば患者の痛みを和らげられるのではないかとも思いました」とも付け加えた。

 日本の読者に対するメッセージとしてオリビアは「私はこれまで世界各地を訪れましたが、なかでも日本という土地、そしてそこに住む人々のことは、ずっと心に留めてきました。私は日本食が大好きですし、尊敬と寛容の精神という日本が誇る長年の伝統も、非常に素晴らしく思っています」という言葉を寄せていた。

 自伝には貴重なカラー写真も多数収録されている。ページ数464ページ、税込みで3,300円。歌姫オリビアが自ら語る人生を振り返りつつ、彼女の冥福を祈ろうではないか。